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こんにちは、みやしょーです。
投資の本やサイトには、よく「資産の配分を決めましょう」「年に1回リバランスしましょう」と書いてあります。
リバランスとは、持っている資産の比率がずれたときに、元に戻す作業のことです。
資産の配分、つまり比率は、投資の結果を一番左右する大事なものです。
ただ、現役世代のNISAと企業型DCなら、その答えはもう決まっていて、リバランスも要らないと私は考えています。
比率を見直し、リバランスが必要になるのは、老後が近づき株式を減らすと決めたときです。
今回は、比率の大切さと現役世代の答え、そして株式を減らすときに何をすればいいかを書きます。
最初に決めるのは比率。現役世代の答えは株式100%
投資の結果を一番左右するのは比率
「何を何%持つか」という設計図を、アセットアロケーション(資産配分)と呼びます。
たとえば株式70%、債券20%、現金10%、といった決め方です。
投資の結果を一番左右するのは、どの商品を選ぶかより、この比率だと私は考えています。
影響が大きい順
① 株式をどれだけ持つか(比率)
② 手数料がいくらか
③ どの商品を選ぶか
株式100%と株式30%では、増え方も下がり方もまったく変わります。
一方で、同じ指数に連動する商品どうしの違いは、手数料のわずかな差だけです。
だから、最初に決めるべきはアセットアロケーションです。
そして現役世代のNISAと企業型DCなら、その答えはシンプルです。
債券もゴールドも要りません。
株式100%にする3つの理由
NISAの1,800万円の枠も、企業型DCの掛金も、全部株式で構わないと思っています。
4年前の記事でも同じことを書きましたが、いまも考えは変わっていません。
理由は3つです。
以前の記事で書いたとおり、S&P500は大きな暴落からも最長で約7年で回復してきた。
受け取りまで20年以上あれば十分に待てる② 下落が「買い場」になる
積み立てているあいだは、下がった場面で安く買える
③ 非課税は「増えるもの」に使いたい
NISAも企業型DCも運用益に税金がかからない。
増える力が一番大きい株式に使うのが合っている
株式100%も、立派なアセットアロケーションです。
1本だけなら比率がずれないので、リバランスも要りません。
オルカンなら、国ごとの比率も中で自動的に調整されます。
ほとんどの人は、この1本で十分だと思います。
考えや好みがあって、何本か組み合わせるのももちろん自由です。
ただその場合は、株式の中でも比率がずれていくので、リバランスが必要になります。
この記事は、株式をオルカンかS&P500の1本で持つ前提で書いています。
怖いなら、比率ではなく金額で調整する
「株式100%は値動きが怖い」という場合に調整するのは、比率ではなく毎月の金額です。
生活防衛費と当面使うお金を分けたうえで、下がっても積立を続けられる金額にしておく。
こうすれば金額を抑えても、投資している部分の増える力は落ちません。
順番と積立額の決め方は、こちらの記事に書きました。
比率を見直すのは、老後が近づいたとき
では、比率を見直したり、リバランスしたりするのはいつか。
受け取りが近づいてきた頃です。
株式100%でいられた理由が弱くなる
受け取りが近づくと、現役のあいだ株式100%でいられた理由が弱くなっていきます。
使う時期が近いと、回復を何年も待てない下落で買い増せなくなる
入金が止まると、下がっても減るのを見ているだけになる
この段階になったら、株式の一部を、株式とは違う動きをするものに移していくのは理にかなっています。
債券やゴールド、定期預金などです。
5年ほど前から少しずつ移す
たとえば受け取りの5年ほど前から、毎年少しずつ移していく。
一度に全部動かすと、そのときの相場に結果が左右されてしまうからです。
DCで比率を調整できるのは受け取るまで
確定拠出年金は、原則として60歳から75歳までのあいだで受け取りを始める時期を選べます(知るぽると)。
企業型DCでは、2024年度に受け取りを始めた人の9割以上が、一時金でまとめて受け取っています(運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料」)。
一時金なら退職所得控除が使えます。
その場合、企業型DCの中で比率を調整できるのは受け取るまでです。
受け取ったあとは、特定口座などで比率を保ちながら運用していくことになります。
ここからリバランスが必要になる
株式を減らすと、持つものが2つ以上になります。
ここで初めて、株式以外も含めて「何を何%にするか」を考え直す必要が出てきます。
決めた比率を保つためのリバランスも、ここからです。
ここから先は、その段階に来た人のための話です。
現役の方は「将来こうする」という予習として読んでください。
株式をどこまで減らすか
株式を何%まで減らすか。
考え方は、上限と下限の2つです。
上限は「耐えられる下落」で決める
上限は、「いくらまで減っても、売らずにいられるか」から逆算します。
下がったときに売ってしまえば意味がないからです。
以前の記事で書いたとおり、S&P500はリーマンショックで高値から56.8%下がりました。
これを当てはめてみます。
| 株式の比率 | 100万円が | 減る額 |
|---|---|---|
| 100% | 43万円 | -57万円 |
| 80% | 54万円 | -46万円 |
| 60% | 66万円 | -34万円 |
| 30% | 83万円 | -17万円 |
株式が57%下がり、残りは横ばいだった場合の試算です。
実際の下落率は商品によって違います。
2,000万円あるなら、株式100%で1,140万円減るということです。
受け取りが近い時期にこの金額を見て、売らずに待てるかどうか。
待てないと思うなら、待てる比率まで株式を下げる。
これが上限の決め方です。
下限は「インフレ(物価の上昇)に負けない」で決める
株式を下げすぎると、今度は物価に負けます。
物価が毎年2%上がると、現金の価値は36年で半分になります(インフレの影響は、こちらの記事で詳しく書きました)。
数字は減っていないのに、買えるものが減っていく。
これも損です。
物価に追いつくには、株式が3割必要
物価が年2%上がるなら、資産全体も年2%増えないと目減りします。
株式は年7%、債券は年1%として計算すると、必要な株式の割合はこうなります(株式の利回りの目安は、こちらの記事)。
| 株式以外を何で持つか | 必要な株式の割合 |
|---|---|
| 現金(増えない) | 約3割(29%) |
| 債券(年1%) | 約2割(17%) |
配当と利息は再投資する前提の試算です。
現金は増えないので、株式が年7%なら全体の3割で年2%ほど増え、物価に追いつきます。
残りを債券で持つなら株式は約2割まで減らせますが、それでもゼロにはできません。
私は「最低でも3割は株式」を目安にしています。
これより下げると、減らさないつもりが、静かに目減りしていきます。
放っておくと比率はずれる。戻すのがリバランス
半々にしても、20年で株式76%になる
比率を決めても、そのままにはなりません。
値上がりしたものは割合が増え、値上がりしなかったものは割合が減るからです。
株式50万円・債券50万円のちょうど半々にして、あとは何もしなかった場合を見てみます。
| 経過 | 合計 | 株式の比率 |
|---|---|---|
| スタート | 100万円 | 50% |
| 10年後 | 154万円 | 64% |
| 20年後 | 255万円 | 76% |
株式が年7%、債券が年1%で増えた場合の試算です。
半々にしたはずが、20年後には4分の3以上が株式になっています。
50%なら耐えられると決めたのに、知らないうちに76%分の下落を受ける状態になっているわけです。
残高が増えているあいだは比率まで確かめないので、自分では気づきにくいのも厄介なところです。
元に戻す作業がリバランス
このずれを決めた比率に戻す作業が、リバランスです。
やることは、増えすぎたものを売って、減ったほうを買うだけです。
さきほどの20年後(株式76%・合計255万円)を50%に戻すなら、株式を約66万円分売って、債券を同じ額だけ買う。
これで約127万円ずつになります。
調子の良いものを売って、悪いものを買うので、気持ちの上ではかなり抵抗があります。
でもそれが、「高く売って安く買う」を機械的にやるということです。
感情に任せると逆をやりがちなので、ルールとして先に決めておくのがリバランスの本質だと思います。
企業型DCでのリバランスは、税金がかかりません
リバランスは「売る」作業なので、ふつうの証券口座(特定口座)では値上がり分に税金がかかります。
一方、企業型DCの中での売買は、運用中は課税されません(厚生労働省)。
何度入れ替えても税金はゼロなので、比率を戻すのをためらう必要がありません。
企業型DCでの操作は2つあります。
名前が似ていて間違えやすい部分です。
いま持っている分を売って、別の商品に移す
→ リバランスはこちら配分割合の変更
これから入ってくる掛金の買い先を変える
→ すでに持っている分は動きません
持っている分を動かしたいのに「配分割合の変更」だけをして、何も変わらないというのがよくある取り違えです。
NISAは動かさず、比率はお金全体で考える
NISAは最後まで株式1本
NISAも売却益は非課税ですが、売った分の枠が戻るのは翌年です(金融庁)。
売り買いを繰り返すと、枠が足りなくなることがあります。
だからNISAは最後まで株式1本のまま、売らなくていい形にしておくのがいいと思います。
株式を減らす調整は、企業型DCの中でやる。
役割をこう分けると、一番すっきりします。
比率はお金全体で考える
比率は口座ごとではなく、投資に回しているお金全体で考えます。
生活防衛費や近いうちに使うお金は含めません。
一方で、出口に向けて持つ定期預金や現金は比率に含めます。
NISAが株式100%のままでも、企業型DCの中で債券や定期預金を増やせば、全体の株式の比率は下がります。
リバランスは年1回で十分
リバランスは、毎月やる必要はありません。
むしろやりすぎないほうがいいです。
年に1回、日を決めて確認し、ずれていたら戻す。
誕生月など、覚えやすい月にしておくと忘れません。
大事なのは「相場を見て判断しない」ことです。
下がったときに怖くなって株式を減らす、上がったときに欲が出て増やす。
これをやると、リバランスではなくただの売買になります。
売らずに戻す方法もあります。
まだ積み立てている人なら、掛金の買い先を、減っているほうに多めに振る方法です(ノーセルリバランスと呼ばれます)。
まとめ
- 投資の結果を一番左右するのは比率(アセットアロケーション)。現役世代はオルカンかS&P500の1本で100%、債券もゴールドもリバランスも要らない
- 値動きが怖いときは、比率ではなく毎月の金額で調整する
- 比率を見直すのは、受け取りが近づいてきた頃。株式を減らすと持つものが2つ以上になる
- 株式の上限は「いくら減っても売らずにいられるか」、下限は「インフレに負けない」で決める。目安は最低3割
- 放っておくと比率はずれる。戻すのがリバランスで、企業型DCならスイッチングで税金をかけずに戻せる
- リバランスは年1回、相場を見ずに。NISAは最後まで株式1本にしておく
現役のうちは、オルカン1本で積み立てるだけです。
まだ企業型DCで商品を選んでいない方は、始め方をこちらにまとめています。
比率を見直し、リバランスを考えるのは、老後が近づき株式を減らすと決めたときで十分だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※制度は2026年9月時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
※記事内の金額はすべて試算です。実際の成績は異なり、元本割れの可能性もあります。
※株式の年7%、債券の年1%は、物価上昇を差し引く前の仮定の数字です。物価は年2%として計算しています。株式の配当と債券の利息は、いずれも再投資するものとしています。
※過去の下落率は将来の値動きを保証するものではありません。
※この記事は個人の考えにもとづくものです。特定の商品をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
参考
- 調整と暴落は何が違うのか|下落率で見分ける2つのものさし
- SBIベネフィット・システムズ「いつまで運用できますか?」
- 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
- 知るぽると「確定拠出年金が使いやすく進化」
- 運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」
- 金融庁「NISAを知る」
- インデックス投資で下落が来ても売らないための考え方|含み益バリアという概念
- NISA・企業型DC・iDeCoはどの順番で始める?優先順位の考え方
- オルカンが値下がりするのはなぜ?|価格を決めるのは株価と為替
- 【資産運用の超基本!】確定拠出年金の商品の選び方とは?
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- 【選ぶだけで未来が変わる!】会社が出してくれる企業型DCの始め方