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同じ「外国株式」でも中身が違う|企業型DCの株式インデックス5本を比べる

目次

  1. 似た名前が5本並んでいます
  2. 5本が買っている範囲はバラバラ
  3. 「外国株式」と「先進国株式」は違う言葉
  4. 同じ指数なのに、手数料が2.8倍違う
  5. では、どれを選ぶか
  6. まとめ
  7. 参考

こんにちは、みやしょーです。

前回は商品一覧の見方を整理しました。
今回から実際の商品を見ていきます。

最初に取り上げるのは全世界・先進国・米国の株式インデックス5本です。
多くの人が最初に検討する、連載で一番大事な回だと思っています。

似た名前が5本並んでいます

今回扱うのはこの5本です。

  • One外国株式インデックスファンド(DC年金)
  • SBI・先進国株式インデックス・ファンド
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • ニッセイ外国株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

名前を見ると「外国株式」「先進国株式」「全世界株式」と並んでいます。
なんとなく似たようなものに見えます。

でも調べてみたら、買っている範囲が少しずつ違いました。
そして同じ範囲を買っているのに、手数料が2.8倍違う組み合わせもありました。

5本が買っている範囲はバラバラ

それぞれが連動を目指している指数と、実際に買っている範囲を並べます。

商品 買っている範囲 信託報酬
eMAXIS Slim 全世界株式 全世界(日本も新興国も) 0.05775%
SBI・V・S&P500 米国だけ 0.0938%程度
SBI・先進国株式 先進国(日本を含む・小型株も) 0.0982%程度以内
ニッセイ外国株式 先進国(日本を除く) 0.09889%以内
One外国株式(DC年金) 先進国(日本を除く) 0.275%

信託報酬は年率・税込。
2026年10月時点。
連動を目指す指数は順に、MSCI ACWI/S&P500/FTSEディベロップド・オールキャップ/MSCIコクサイ/MSCIコクサイです。

買っている範囲が、5本とも違います。
全世界、米国だけ、日本を含む先進国、日本を除く先進国。
どれも外国の株が中心なので、為替の影響を受けます。
この仕組みは以前の記事で書いたとおりです。

なお前回触れた信託財産留保額(売るときに引かれる金額)は、この5本ではいずれもかかりません。
購入時手数料もDCでは無料なので、比べるべきコストは信託報酬だけです。

「外国株式」と「先進国株式」は違う言葉

名前が似ている3本も、連動する指数を見ると中身が違います。

ニッセイ外国株式/One外国株式(DC年金)
 連動:MSCIコクサイ指数
 中身:日本を除く先進国の、大型・中型株

SBI・先進国株式
 連動:FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス
 中身:日本を含む先進国の、大型・中型・小型株まで

「外国」は日本以外。
「先進国」には日本も入ります。

先進国から日本を外したファンドは、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」のように、名前にそう書かれています。

気をつけたいのは、「日本株は別に持っているから、外国株だけ買いたい」という人です。
「先進国株式」を「外国株式」と同じ意味だと思って選ぶと、日本株が二重に入ります。

もうひとつの違いは「オールキャップ」です。
会社の規模を問わず、小型株まで全部という意味です。
そのぶんSBI・先進国株式のほうが、買っている会社の数は多くなります。

同じ指数なのに、手数料が2.8倍違う

ここが今回一番の発見でした。

ニッセイ外国株式とOne外国株式(DC年金)は、まったく同じ指数に連動しています。
どちらもMSCIコクサイ指数です。
買っているものは、ほぼ同じはずです。

それなのに手数料が違います。

商品 信託報酬 30年後
ニッセイ外国株式 0.09889% 5,982万円
One外国株式(DC年金) 0.275% 5,779万円

月5万円・30年・信託報酬を引く前が年7%だった場合の試算です。

中身はほぼ同じなのに、30年で203万円の差になります。
前回書いた「確実なコストと、不確実なリターン」が、まさにここに表れています。

では、どれを選ぶか

4本の差は小さい。選ぶ基準は「どこまで買いたいか」

前回示した基準は「信託報酬が低い・純資産が十分・長期の積立に向く・指数とのズレが小さい」でした。
5本をこの基準で見ると、はっきり差が出たのは信託報酬です。

One外国株式(DC年金)は選びにくい

同じ指数で2.8倍安い商品が隣にあります。
積極的に選ぶ理由が見つかりませんでした。
すでにOneを持っている方は、加入者サイトの「スイッチング(預け替え)」でほかの商品に移せます。
「配分割合の変更」だけでは、持っている分は移らないので注意してください。
2つの操作の違いは前回の記事の最後で説明しています。

残る4本は、どれも十分に低コスト

0.058%から0.099%の範囲に収まっています。
この差は30年で約50万円。
悩むほどの差ではありません。

だとすると、選ぶ基準はコストではなく「どこまで買いたいか」になります。

買いたい範囲で選ぶなら

世界中に、これ1本で分散したい
 → eMAXIS Slim 全世界株式(新興国まで入る・純資産14兆円超)

米国の成長に集中したい
 → SBI・V・S&P500

日本株は別に持つので、外国だけ買いたい
 → ニッセイ外国株式

私の考え:まずはオルカンを第一候補として考えたい

私のおすすめは、まずeMAXIS Slim 全世界株式を第一候補として考えることです。

理由は3つあります。
信託報酬が5本で一番安いこと。
新興国まで含めて、これ1本で世界中に分散できること。
そして純資産が14兆円を超えていて、繰上償還の心配がまずないことです。

何より、選んだあとに考えることがありません。
どの国が伸びるかを予想しなくても、世界全体が成長すればその分だけ増えます。
組入比率も自動で調整されるので、放っておけます。

ちなみに私自身は、S&P500を選んでいます。
米国の会社は、米国の外でも稼いでいるからです。
たとえばコカ・コーラは世界中で売られています。
米国株だけでも、世界の経済成長の恩恵は十分に受けられると考えています。

ただ、これは「米国の会社がこれからも強い」という私の見方が入った選択です。
私がおすすめするとしたら、そうした見方を持たなくても済むオルカンです。

株式だけで、分散は足りるのか

「債券やバランス型も混ぜたほうがいいのでは」と思うかもしれません。
でも企業型DCは、運用益が非課税で、60歳まで引き出せず、期間も長い入れ物です。
短期の値動きを抑える必要が薄いので、株式を持つのに一番向いています。
この考え方はアセットアロケーションの記事でくわしく書きました。

ただし受け取りが近い方は話が別です。
60歳の直前に暴落が来ると、回復を待つ時間がありません。
年齢が上がってきたら、一部を元本確保型(定期預金)や債券に移すことも選択肢になります。
どちらも後の回で扱います。

まとめ

  • 5本は名前が似ていても、買っている範囲はすべて違う。「外国株式」は日本を除き、「先進国株式」は日本を含む
  • ニッセイ外国株式とOne外国株式は同じ指数なのに手数料が2.8倍。30年で203万円の差
  • 残る4本の差は小さく、選ぶ基準は「どこまで買いたいか」。私のおすすめは、まずeMAXIS Slim 全世界株式を第一候補にすること
  • DCは株式を持つのに向いた入れ物。ただし受け取りが近づいたら、一部を移すことも選択肢

次回は国内株式5本です。
インデックス2本とアクティブ3本があり、今回とは違う論点が出てきます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

※信託報酬と商品構成は2026年10月時点の情報です。変更されることがあるため、最新の情報は各運用会社と加入者サイトでご確認ください。
※30年後の金額は、同じ運用成績だったと仮定した比較です。実際の成績は異なり、元本割れの可能性もあります。
※年7%は物価上昇を差し引く前の数字です。物価が年2%上がるとすると、実質では年5%にあたります。
※この記事は個人の考えにもとづくものです。特定の商品をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

参考

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みやしょー

心理学、健康、お金など、生活に役立つ知識を得るのが趣味です。
FP3級・簿記3級を取得しており、学んだ知識を日々の暮らしや資産形成に活かしています。
インプットだけでは身につかず、使える知識にはならないと感じたため、学んだことをアウトプットしていきます。
「もっと早く知りたかった」「どうして周りの人は誰も教えてくれなかったんだろう」と思うことが本当に多くありました。
そんな大事だと思った知識を、このブログに備忘録としてまとめていく予定です。
よろしくお願いします。

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