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こんにちは、みやしょーです。
前回は商品一覧の見方を整理しました。
今回から実際の商品を見ていきます。
最初に取り上げるのは全世界・先進国・米国の株式インデックス5本です。
多くの人が最初に検討する、連載で一番大事な回だと思っています。
似た名前が5本並んでいます
今回扱うのはこの5本です。
- One外国株式インデックスファンド(DC年金)
- SBI・先進国株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- ニッセイ外国株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
名前を見ると「外国株式」「先進国株式」「全世界株式」と並んでいます。
なんとなく似たようなものに見えます。
でも調べてみたら、買っている範囲が少しずつ違いました。
そして同じ範囲を買っているのに、手数料が2.8倍違う組み合わせもありました。
5本が買っている範囲はバラバラ
それぞれが連動を目指している指数と、実際に買っている範囲を並べます。
| 商品 | 買っている範囲 | 信託報酬 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式 | 全世界(日本も新興国も) | 0.05775% |
| SBI・V・S&P500 | 米国だけ | 0.0938%程度 |
| SBI・先進国株式 | 先進国(日本を含む・小型株も) | 0.0982%程度以内 |
| ニッセイ外国株式 | 先進国(日本を除く) | 0.09889%以内 |
| One外国株式(DC年金) | 先進国(日本を除く) | 0.275% |
信託報酬は年率・税込。
2026年10月時点。
連動を目指す指数は順に、MSCI ACWI/S&P500/FTSEディベロップド・オールキャップ/MSCIコクサイ/MSCIコクサイです。
買っている範囲が、5本とも違います。
全世界、米国だけ、日本を含む先進国、日本を除く先進国。
どれも外国の株が中心なので、為替の影響を受けます。
この仕組みは以前の記事で書いたとおりです。
なお前回触れた信託財産留保額(売るときに引かれる金額)は、この5本ではいずれもかかりません。
購入時手数料もDCでは無料なので、比べるべきコストは信託報酬だけです。
「外国株式」と「先進国株式」は違う言葉
名前が似ている3本も、連動する指数を見ると中身が違います。
連動:MSCIコクサイ指数
中身:日本を除く先進国の、大型・中型株
SBI・先進国株式
連動:FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス
中身:日本を含む先進国の、大型・中型・小型株まで
「外国」は日本以外。
「先進国」には日本も入ります。
先進国から日本を外したファンドは、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」のように、名前にそう書かれています。
気をつけたいのは、「日本株は別に持っているから、外国株だけ買いたい」という人です。
「先進国株式」を「外国株式」と同じ意味だと思って選ぶと、日本株が二重に入ります。
もうひとつの違いは「オールキャップ」です。
会社の規模を問わず、小型株まで全部という意味です。
そのぶんSBI・先進国株式のほうが、買っている会社の数は多くなります。
同じ指数なのに、手数料が2.8倍違う
ここが今回一番の発見でした。
ニッセイ外国株式とOne外国株式(DC年金)は、まったく同じ指数に連動しています。
どちらもMSCIコクサイ指数です。
買っているものは、ほぼ同じはずです。
それなのに手数料が違います。
| 商品 | 信託報酬 | 30年後 |
|---|---|---|
| ニッセイ外国株式 | 0.09889% | 5,982万円 |
| One外国株式(DC年金) | 0.275% | 5,779万円 |
月5万円・30年・信託報酬を引く前が年7%だった場合の試算です。
中身はほぼ同じなのに、30年で203万円の差になります。
前回書いた「確実なコストと、不確実なリターン」が、まさにここに表れています。
では、どれを選ぶか
4本の差は小さい。選ぶ基準は「どこまで買いたいか」
前回示した基準は「信託報酬が低い・純資産が十分・長期の積立に向く・指数とのズレが小さい」でした。
5本をこの基準で見ると、はっきり差が出たのは信託報酬です。
One外国株式(DC年金)は選びにくい
同じ指数で2.8倍安い商品が隣にあります。
積極的に選ぶ理由が見つかりませんでした。
すでにOneを持っている方は、加入者サイトの「スイッチング(預け替え)」でほかの商品に移せます。
「配分割合の変更」だけでは、持っている分は移らないので注意してください。
2つの操作の違いは前回の記事の最後で説明しています。
残る4本は、どれも十分に低コスト
0.058%から0.099%の範囲に収まっています。
この差は30年で約50万円。
悩むほどの差ではありません。
だとすると、選ぶ基準はコストではなく「どこまで買いたいか」になります。
世界中に、これ1本で分散したい
→ eMAXIS Slim 全世界株式(新興国まで入る・純資産14兆円超)
米国の成長に集中したい
→ SBI・V・S&P500
日本株は別に持つので、外国だけ買いたい
→ ニッセイ外国株式
私の考え:まずはオルカンを第一候補として考えたい
私のおすすめは、まずeMAXIS Slim 全世界株式を第一候補として考えることです。
理由は3つあります。
信託報酬が5本で一番安いこと。
新興国まで含めて、これ1本で世界中に分散できること。
そして純資産が14兆円を超えていて、繰上償還の心配がまずないことです。
何より、選んだあとに考えることがありません。
どの国が伸びるかを予想しなくても、世界全体が成長すればその分だけ増えます。
組入比率も自動で調整されるので、放っておけます。
ちなみに私自身は、S&P500を選んでいます。
米国の会社は、米国の外でも稼いでいるからです。
たとえばコカ・コーラは世界中で売られています。
米国株だけでも、世界の経済成長の恩恵は十分に受けられると考えています。
ただ、これは「米国の会社がこれからも強い」という私の見方が入った選択です。
私がおすすめするとしたら、そうした見方を持たなくても済むオルカンです。
株式だけで、分散は足りるのか
「債券やバランス型も混ぜたほうがいいのでは」と思うかもしれません。
でも企業型DCは、運用益が非課税で、60歳まで引き出せず、期間も長い入れ物です。
短期の値動きを抑える必要が薄いので、株式を持つのに一番向いています。
この考え方はアセットアロケーションの記事でくわしく書きました。
ただし受け取りが近い方は話が別です。
60歳の直前に暴落が来ると、回復を待つ時間がありません。
年齢が上がってきたら、一部を元本確保型(定期預金)や債券に移すことも選択肢になります。
どちらも後の回で扱います。
まとめ
- 5本は名前が似ていても、買っている範囲はすべて違う。「外国株式」は日本を除き、「先進国株式」は日本を含む
- ニッセイ外国株式とOne外国株式は同じ指数なのに手数料が2.8倍。30年で203万円の差
- 残る4本の差は小さく、選ぶ基準は「どこまで買いたいか」。私のおすすめは、まずeMAXIS Slim 全世界株式を第一候補にすること
- DCは株式を持つのに向いた入れ物。ただし受け取りが近づいたら、一部を移すことも選択肢
次回は国内株式5本です。
インデックス2本とアクティブ3本があり、今回とは違う論点が出てきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
※信託報酬と商品構成は2026年10月時点の情報です。変更されることがあるため、最新の情報は各運用会社と加入者サイトでご確認ください。
※30年後の金額は、同じ運用成績だったと仮定した比較です。実際の成績は異なり、元本割れの可能性もあります。
※年7%は物価上昇を差し引く前の数字です。物価が年2%上がるとすると、実質では年5%にあたります。
※この記事は個人の考えにもとづくものです。特定の商品をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
参考
- SBI証券 企業型確定拠出年金 運用商品一覧
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
- SBIアセットマネジメント「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」
- SBIアセットマネジメント「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
- ニッセイアセットマネジメント「ニッセイ外国株式インデックスファンド」特色
- アセットマネジメントOne「One外国株式インデックスファンド<DC年金>」
- MSCI「MSCI Kokusai (World ex Japan) Index」
- 企業型DCの商品一覧、どこを見る?一番差がつくのは信託報酬
- オルカンが値下がりするのはなぜ?|価格を決めるのは株価と為替
- リバランスは老後が近づいてからでいい|現役のアセットアロケーションは株式1本