SESエンジニアの適正単価や相場とは?単価を上げるための方法も解説
最近はSESエンジニアとして働きたいと考えている方は多いのではないでしょうか?その中でも、適正な単価や相場を知りたいと思うエンジニアも多いでしょう。
そこで今回は、SESエンジニアの単価が決まる仕組みや単価相場、そして単価を上げるための方法を解説します。また、年収アップにもつながるポイントについても触れているため、キャリアアップを目指す方は必見です。
INDEX
そもそもSESエンジニアの単価はどうやって決まる?
SESエンジニアの単価はどのように決まるのでしょうか。はじめに、SESエンジニアの単価が決まる仕組みについて見ていきましょう。
SESエンジニアの単価は1か月の金額を指す
SESエンジニアの単価は、1か月の金額、すなわち「人月単価」で決まります。この金額は、エンジニアのスキルや業種、1か月の標準労働時間を考慮して設定されるのが一般的です。また、1か月の労働時間は、基本的には「労働日数×8時間(1日の労働時間)」で決められますが、実際には残業や休暇などで労働時間は前後するため、「労働日数×10時間」など余裕を持たせた設定にすることが多いです。
エンジニアのスキルや業種によって単価が決定する
SESエンジニアの単価は、エンジニアのスキルや業種にも影響します。スキルや経験が豊富なエンジニアほど単価が高くなる傾向です。また、特殊なスキルを持っている場合も高単価になることが多いでしょう。
一般的に、プロジェクトマネジメントなど、上流工程で必要なスキルを持っているエンジニアは高収入を実現しやすいです。
SESエンジニアの適正単価(相場)はどのくらい?
専門的なスキルが必要なため、高収入なイメージを持たれるエンジニアですが、SESエンジニアの適正単価や相場はどのくらいなのでしょうか。
具体的な数字をもとに解説していきます。
フリーランスエンジニアの相場は55~75万円
フリーランスエンジニアの相場は55~75万円ほどです。ただし、単価は案件によって大きく異なります。たとえば、フリーランスのITエンジニア向けの案件が多数掲載されている「レバテックフリーランス」では、2023年4月現在において、最高額の案件は単価175万円、最低額の案件は単価15万円です。
フリーランスエンジニアの相場はあくまでも目安ですが、SESエンジニアの相場観とそれほど違いはないため、参考になるでしょう。
役職やスキル、業種によって適正単価も変動する
SESエンジニアの適正単価は、役職やスキル、業種によって変動します。
たとえば、業種ごとに単価を比較すると、プログラマーよりもシステムエンジニアの方が平均単価や最高単価が高くなることがあります。また、使用するプログラミング言語によっても単価が変動するため、人気や需要が高いプログラミング言語、複数のプログラミング言語を扱えるエンジニアは、単価が高めになる傾向です。
ただし、単価には案件ごとに大きな差があります。先に解説したとおり、フリーランスエンジニアの相場は55~75万円程度ですが、最高額の案件は175万円、一方、最低額は15万円と大きな開きがあることがわかります。
そのため、エンジニアとしての収入を上げるには、スキルを磨き、システムエンジニアやプロダクトマネージャーなどへのキャリアアップがおすすめです。業界動向や需要の高いスキルに注目し、自分自身の成長に取り組むことが大切といえるでしょう。
参考:SESで単価を教えてくれない?交渉手段や対処法を解説。 | WIZARDブログ
SESエンジニアが単価を上げるための4つの方法
SESエンジニアが単価を上げるためにできることは、以下の4つです。
・エンジニアとしてのスキルや経験を高める
・自分のスキルアップが狙える企業の希望を出す
・ほかのSES企業に転職する
・実績を積みSES企業に単価アップの交渉をする
それぞれ詳しく解説します。
エンジニアとしてのスキルや経験を高める
SESエンジニアが単価を上げるための方法のひとつに、エンジニアとしてのスキルや経験を高めることが挙げられます。スキルや経験を高めることで、企業からの評価が高まり、その評価が単価や報酬へ還元されることが多いからです。
スキルアップするには、新しい業務に挑戦したり、専門書を読んだり、スキルアップ講座に参加するなどの方法があります。これにより、幅広いスキルを身につけられるでしょう。
また、スキルアップすることで上流工程に携わる機会も増えます。上流工程での経験は、将来的なキャリアアップにつながることがあるため、さらなる単価上昇につながることもあるでしょう。
自分のスキルアップが狙える企業の希望を出す
自分が身につけたいスキルを持つ客先企業で働くことも、SESエンジニアが単価を上げる方法のひとつです。
自己学習でもスキルアップは可能ですが、スキルや経験を積むためには、希望するスキル分野の業務ができるクライアント企業での経験が重要となります。そのため、希望するスキル分野が明確な場合は、自分のスキルアップが狙える案件とのマッチングをアピールするのがおすすめです。
業務を通じてスキルアップのための経験を積むことで、徐々にクライアント企業やSES企業からの評価も高まり、単価や報酬への還元率に反映される可能性があるでしょう。
ほかのSES企業に転職する
SESエンジニアが単価を上げる方法として、ほかのSES企業に転職する方法も挙げられます。それぞれのSES企業はベース単価を設定しており、その単価は企業によってさまざまです。自分の単価設定や還元率が低いと感じた場合、転職を検討することで、より高い単価設定の企業に巡り合える可能性があります。
ただし、単価を上げるために転職を繰り返すことは、イメージ的にもよくありません。そのため、まずはSES企業の担当者に相談することが大切です。その上で、自身のスキルと単価が合っていないと感じる場合は、転職も視野に入れるとよいでしょう。
実績を積みSES企業に単価アップの交渉をする
なかなか言い出しづらいと感じる方もいますが、SES企業に直接単価アップの交渉をする方法もあります。ただし、実績がほとんどない状態で単価アップの交渉をしても認められる可能性は低いため、ある程度の実績を積んでから交渉するとよいでしょう。
また、現在の仕事ぶりや実績が給料と見合っていないと感じた場合には、まずはSES企業の担当者に相談してみるのがおすすめです。案件とのマッチングや自己評価について、認識違いや評価のズレが生じているだけかもしれません。独りで悩んで結論づけるのは避け、勇気を持ってコミュニケーションをとってみれば状況が好転するかもしれません。
単価や給料アップの交渉を行う上でのポイント3選
単価や給料アップのために交渉する場合、大切なポイントがあります。そのポイントは以下のとおりです。
・客先での評価や成果を上げる
・延長が予測される場合は終了1か月前には交渉をする
・実績やスキルなどを資料にまとめて提示する
それぞれ詳しく解説します。
客先での評価や成果を上げる
これまでにも触れたように、SESエンジニアが単価を上げるには、客先での評価や成果は重要なポイントです。SESエンジニアは基本的には客先で仕事を行うため、客先からの評価はそのままSESエンジニアの評価につながります。そのため、高いパフォーマンスを持続的に発揮し、成果を上げることを目指しましょう。
ただし、技術力が優れていても、遅刻や欠勤が目立ったり、コミュニケーションに問題があったりすると評価が下がってしまうこともあるため、社会人としてのマナーを徹底することも必要です。
延長が予測される場合は終了1か月前には交渉をする
単価や給料アップの交渉を行う際は、適切なタイミングを見計らうことも大切です。もし、契約の延長が予測される場合は、終了1か月前には交渉を行うようにしましょう。
また、勤めているSES企業の昇給タイミングを把握しておくことも大切です。昇給を検討し始めるタイミングで交渉を行えば、次の契約の際には単価アップが実現できる可能性もあります。しっかりとタイミングを見極め、交渉に臨みましょう。
実績やスキルなどを資料にまとめて提示する
単価や給料アップの交渉を行う上で、実績やスキルなどを資料にまとめて提示することも重要です。第三者にもわかるように客観的な資料を用意することで、交渉に説得力を持たせられます。過去の実績やスキルについて、どのような実務経験があったのか、どのようなスキルを身につけたのかを詳細にまとめておきましょう。とくにSESエンジニアは客先常駐が一般的なため、客先でどのような貢献ができたのかをわかりやすくまとめることがポイントです。
また、資料を作成することで自信を持って交渉に臨むことができ、落ち着いて交渉できます。
単価アップにはキャリアプランを立てることが大切|立てるときのポイント3選
単価アップを狙う際は、まず自身のキャリアプランを立てることが大切です。キャリアプランをしっかりと立てることで、自分の将来像が明確となり、目標通りのキャリアパスを歩みやすくなります。
キャリアプランを立てる際は以下の3つのポイントを意識しましょう。
・自分が希望する業種や立場などを決める
・身につけるスキルはキャリアプランに必要なものを選ぶ
・必要なスキルや実績を身につけたら、さらなるスキルアップも目指す
それぞれ詳しく解説します。
自分が希望する業種や立場などを決める
まず、自分が将来的にどのような業種や立場(ポジション)を希望しているのかを決めましょう。業種や立場によって必要なスキルが異なるため、どのようなスキルを身につけていくべきかが明確になります。技術的なスキルでいえば、たとえば、EC業界、SaaS業界、ゲーム・アプリ業界、金融業界では、開発言語をはじめサーバーやネットワーク、セキュリティ環境、規模感などはそれぞれ異なります。各業界・業種に適したスキルを備えて、サイトやサービスを開発・安定運営できるようになる必要があるでしょう。
また、マネジメント職を目指す場合であれば、各スタッフやクライアントと円滑にプロジェクトを進めるためのコミュニケーション能力や、リーダーシップ、予算・リソース管理などのマネジメントスキルといった技術面以外のスキルも必要になります。
身につけるスキルはキャリアプランに必要なものを選ぶ
キャリアプランを立てる際には、基本的には自分のキャリアアップに必要なスキルを優先的に習得することが大切です。もし、現在の業務で身につけたスキルだけでは不足する場合は、独学で必要なスキルを学ぶ必要もあるでしょう。
また、将来性のある分野で活躍したい場合は、その分野でトレンドになっている言語や、今後の需要の高まりが見込まれる言語についてリサーチしてみるのがおすすめです。
必要なスキルや実績を身につけたら、さらなるスキルアップも目指す
キャリアアップに必要なスキルや実績を身につけた後、次に目指すべきはさらなるスキルアップです。しかし、現在の業務ではキャリアアップが見込めないと感じる場合もあるでしょう。そのような場合は、転職を視野に入れることが必要かもしれません。
もしSES企業への転職を考える場合は、エンジニアが希望する案件を選べるような新SES企業を選ぶことが大切です。公開されている情報だけで判断するのは難しいため、まずは候補となるSES企業に面談を希望してみましょう。自分のキャリアプランや希望案件などを企業側へ伝え、さらなるスキルアップが実現できる環境であれば、次のステージに向けて踏み出せるでしょう。
自分のスキルアップを通じてSESエンジニアの単価アップを目指そう
この記事では、SESエンジニアの単価の相場や単価アップのための方法、キャリアプランを立てる際のポイントについて紹介しました。
SESエンジニアとして、自分のスキルを高めたり実績を積んだりすることで、客先からの評価も上がり、単価アップへの近道となります。まずは、自身のキャリアプランを立て、必要なスキル取得を目指しながら、単価アップを目指しましょう。
参考:フリーランスエンジニアの単価交渉9個のコツ | テックゲート
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