残業の月の上限は45時間?超えた時の罰則も解説!

COLUMN

お役立ち情報

残業の月の上限は45時間?超えた時の罰則も解説!

働き方改革関連法により、一般企業の時間外労働は「月45時間・年360時間」が原則上限と定められています。

これを常態的に超えると、企業は是正勧告や罰則の対象となり、従業員は健康障害リスクにさらされかねません。

本記事では、45時間超過が違反となるケースと罰則、そして残業時間を上限内に抑えるための具体策をわかりやすく解説します。

残業時間は月45時間が上限

働き方改革関連法により、一般企業における時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」と定められています。この規制は、従業員の健康を守るために重要なものであり、企業はこの上限を遵守する義務があります。

月45時間を超える残業が常態化すると、企業は是正勧告や罰則の対象となり、従業員は過労や健康障害のリスクにさらされることになります。したがって、企業はこの上限を意識し、適切な労働環境を整えることが求められています。

残業月45時間超えた時の罰則とは

働き方改革関連法により、残業時間が月45時間を超えると企業には厳しい罰則が科される可能性があります。

具体的には、労働基準監督署からの是正勧告が行われ、改善が見られない場合には罰金や行政処分が課されることもあります。

また、従業員の健康を守るための法律が強化されているため、企業は労働環境の改善に努める必要があります。これにより、従業員の健康障害リスクを軽減し、持続可能な働き方を実現することが求められています。

【事業・業種別】時間外労働の上限規制の特例とは

働き方改革関連法では、一般企業における時間外労働の上限が原則として月45時間・年360時間と定められていますが、特定の事業や業種には例外が存在します。次のセクションでは、具体的な業種ごとの特例について詳しく見ていきます。

工作物の建設の事業

建設業では、2024年4月1日より時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間が上限となります。

ただし、災害時における復旧及び復興の事業に従事する場合には、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2〜6ヶ月平均80時間以内とする規制が適用されません。​これにより、緊急時の迅速な対応が可能となっています。

自動車運転の業務

自動車運転者には、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用され、特別条項付き36協定を締結する場合、年間の時間外労働の上限が年960時間となります。

​また、一般の労働者と異なり、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制及び、時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月までとする規制は適用されません。​さらに、運転時間や勤務間インターバルについて定めた「改善基準告示」を遵守する必要があります。​

医業に従事する医師

医師の時間外労働の上限規制は、2024年4月1日から適用され、原則として年960時間(A水準)となります。​

ただし、地域医療の確保や技能の修得・向上を目的とした場合には、都道府県知事の指定を受けることで、年1,860時間(B・連携B・C水準)まで延長が可能です。

​また、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2〜6ヶ月平均80時間以内とする規制及び、時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月までとする規制は適用されません 。​さらに、医療法等により、追加的健康確保措置が定められています 。

月の残業時間が45時間超えている会社の特徴

残業時間が月45時間を超える会社にはいくつかの共通した特徴があります。これから説明する特徴は多くの企業で起きているため注意が必要です。

人手不足が続いている

人手不足は、残業時間が月45時間を超える企業の大きな要因の一つです。

労働力が不足している状況では、限られた人数で業務を回さなければならず、結果として従業員に過剰な負担がかかります。このような環境では、業務の効率化が進まないため、残業が常態化しやすくなります。

また、人手不足が続くことで、従業員のモチベーションや健康状態にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。企業はこの問題に対処するために、採用活動の強化や労働環境の改善を図る必要があります。

繁忙期に業務が増えている

繁忙期は、企業にとって特に業務が集中する時期であり、残業時間が増加する要因の一つです。例えば、年度末や決算期、特定のイベントやキャンペーンに合わせた業務が増えることで、従業員は通常以上の労働を強いられることがあります。

このような状況では、業務の効率化や適切な人員配置が求められますが、実際には人手不足や業務の属人化が影響し、残業が常態化してしまうことも少なくありません。

繁忙期における業務の増加は、企業の生産性に影響を与えるだけでなく、従業員の健康やモチベーションにも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、企業は繁忙期の業務量を適切に管理し、残業時間を抑えるための対策を講じることが重要です。

業務が属人化している

業務が属人化している企業では、特定の従業員に業務が集中し、その人がいなければ業務が回らない状況が生まれやすくなります。このような状況では、業務の進行が遅れたり、急な欠勤が発生した際に大きな影響を受けることになります。

結果として、他の従業員がその業務をカバーするために残業を強いられることが多くなり、月の残業時間が45時間を超える原因となります。

属人化を解消するためには、業務のマニュアル化やチーム内での業務分担を見直すことが重要です。これにより、特定の従業員に依存せず、全員が業務を遂行できる体制を整えることが可能になります。

業務フローでアナログな部分が多い

業務フローにアナログな部分が多い企業は、効率的な作業が難しく、結果として残業時間が増加する傾向があります。

例えば、手作業でのデータ入力や紙ベースの書類管理は、時間がかかるだけでなく、ミスが発生しやすくなります。これにより、業務の進行が遅れ、従業員は残業を余儀なくされることが多いのです。

また、アナログなプロセスは情報の共有やコミュニケーションを妨げる要因にもなります。チームメンバー間での情報の伝達がスムーズでない場合、業務の重複や無駄な作業が発生し、さらなる残業を引き起こすことになります。

残業することを良しとする文化がある

残業が常態化している企業には、残業を「良し」とする文化が根付いていることが多いです。このような文化では、長時間働くことが美徳とされ、従業員は自己犠牲的に残業を続ける傾向があります。

特に、上司や先輩が率先して残業を行う場合、若手社員もその流れに従わざるを得なくなります。このような環境では、効率的な働き方が推進されにくく、結果として企業全体の生産性が低下することにもつながります。

また、残業を良しとする文化は、従業員の健康にも悪影響を及ぼします。過労やストレスが蓄積されることで、心身の健康が損なわれるリスクが高まります。

月の残業時間を45時間以内に抑える方法

残業時間を45時間以内に抑えるためには、企業が積極的に取り組むべきいくつかの方法があります。これから解説する方法を組み合わせ、月の残業時間が45時間以内に収まるようにしましょう。

強制的に残業ができない仕組みを導入する

残業時間を45時間以内に抑えるためには、企業が強制的に残業をさせない仕組みを導入することが重要です。具体的には、労働時間の管理を徹底し、残業が発生する前に業務の見直しや効率化を図ることが求められます。

例えば、業務の優先順位を明確にし、タスクの分担を適切に行うことで、従業員が無理なく業務を遂行できる環境を整えることができます。

また、残業を希望する場合でも、事前に上司の承認を得る制度を設けることで、無駄な残業を防ぐことが可能です。このような取り組みを通じて、従業員の健康を守りつつ、企業全体の生産性向上にもつながるでしょう。

オフィスの設備や労働環境を整える

残業時間を45時間以内に抑えるためには、オフィスの設備や労働環境を整えることが重要です。快適な作業環境は、従業員の生産性を向上させ、業務効率を高める要素となります。

例えば、適切な照明や温度管理、静かな作業スペースを提供することで、集中力を維持しやすくなります。また、リフレッシュスペースや休憩室を設けることで、従業員が適度に休息を取ることができ、疲労の蓄積を防ぐことができます。

さらに、業務効率化ツールの導入も効果的です。業務を効率化するためのソフトウェアやツールを活用することで、手作業の負担を軽減し、時間を有効に使うことが可能になります。

評価制度を見直す

残業時間を45時間以内に抑えるためには、評価制度の見直しが重要です。従来の評価基準が残業を前提としたものであれば、従業員は長時間働くことが評価されると感じ、結果的に残業が常態化してしまいます。

そこで、業務の成果や効率を重視した評価制度にシフトすることが求められます。具体的には、プロジェクトの達成度やチームの協力を評価する仕組みを導入することで、残業を減らしつつも従業員のモチベーションを維持することが可能です。

また、定期的なフィードバックを行い、業務改善の意識を高めることも効果的です。これにより、働き方改革の趣旨に沿った職場環境を実現することができるでしょう。

残業時間を可視化する

残業時間を可視化することは、企業が労働時間の管理を適切に行うための重要なステップです。具体的には、従業員の残業時間を定期的に記録し、分析することで、どの業務やプロジェクトが時間を消費しているのかを明確に把握できます。

また、可視化されたデータは、経営層や管理職が労働環境の改善に向けた具体的な施策を検討する際の根拠となります。

例えば、特定の部署で残業が多い場合、その原因を探り、業務の見直しや人員の配置転換を行うことで、労働時間の短縮を実現できます。さらに、従業員自身も自分の働き方を見直すきっかけとなり、健康管理やワークライフバランスの向上にも寄与します。

まとめ

働き方改革関連法により、残業時間の上限が厳格に定められたことで、企業は従業員の健康を守る責任が求められています。月45時間を超える残業は、企業にとって是正勧告や罰則のリスクを伴い、従業員にとっても健康障害の危険が増すことになります。

この記事では、残業時間の上限や罰則、そして上限内に抑えるための具体策を解説しました。企業はこの法律を遵守し、働きやすい環境を整えていきましょう。

コラムの一覧へ戻る

RECOMMEND おすすめ記事

DOWNLOAD 資料一覧