SESエンジニアに帰属意識を持ってもらう方法とは?帰属意識が低いことで起こり得る問題も解説

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SESエンジニアに帰属意識を持ってもらう方法とは?帰属意識が低いことで起こり得る問題も解説

SESエンジニアはクライアント先に常駐するケースが多く、自社への帰属意識が低くなってしまう傾向があります。エンジニアの帰属意識が低いままでは、生産性が低下するほか、離職の原因にもつながってしまいます。

そこで今回は、SESエンジニアが帰属意識を持ちにくいことで起こる問題について確認するとともに、帰属意識を高めるための対策などについて解説します。

SESエンジニアの帰属意識とは

「帰属意識」とは、ある集団や組織に属していて、自身がその集団や組織の一員だという意識や感覚のことを指します。

帰属意識が高い従業員は自社に対して一体感を持ちやすく、愛着や関心が強い傾向にあります。その結果、目標に対して積極的に行動し、今後も自社で仕事をしたいという気持ちが強くなりやすいです。

一方で、帰属意識が低下している従業員は、自社の方針などにも無関心になってしまい、業務に対するモチベーションも下がります。その結果、離職につながるケースもみられます。

とくに、SESエンジニアの場合には、自社に出社せずクライアントのオフィスで働くのが一般的なため、日常的な自社との接点が希薄になり、帰属意識が低くなりやすい傾向にあります。

人材の定着率・生産性の向上には、客先常駐エンジニアの自社に対する帰属意識をいかに高めていくかは重要なポイントになるでしょう。

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい理由

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい理由には、以下のようなものがあります。

・社内の人間との関わりがない

・現場が頻繁に変わる

・困ったときに頼れる人がいない

・希望する仕事ができない場合がある

・評価制度があいまいである

それぞれの理由について、確認していきましょう。

社内の人間との関わりが少ない

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい1つ目の理由は、社内の人間との関わりが少ないことです。

SES企業に属して仕事をする場合、そのほとんどがクライアント先での業務になります。そうなると、仕事中のコミュニケーションも社外の人がほとんどで、社内の人と関わる機会が少なくなってしまいます。

自社に属する人との関わりがほとんどない状態が続くと、組織に属しているという感覚が薄くなってしまい、帰属意識を持ちづらくなってしまうのです。

現場が頻繁に変わる

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい2つ目の理由は、現場が頻繁に変わることです。

SESエンジニアは客先常駐での仕事が多く、プロジェクトごとに常駐先が変わるため、そのたびに新たなメンバーと仕事をすることになります。

帰属意識は、同じ組織内で長期間働くことで高まりやすくなります。しかし、SESエンジニアは仕事をする常駐先やメンバーが頻繁に変わるため、「自分はどこの組織にも属していない」と感じてしまいやすくなるのです。

困ったときに頼れる人がいない

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい3つ目の理由は、困ったときに頼れる人がいないことです。

SESエンジニアは、1人で客先に常駐するケースも少なくありません。そのような現場で困ったことがあった場合に相談できるのは、同じ現場で働く「社外の人」となります。

何かあったときに自社の先輩や上司に頼れず、社外の人に相談するしかない状況が続くと、自社に対する愛着が薄れ、帰属意識も低くなってしまうでしょう。

希望する仕事ができない場合がある

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい4つ目の理由は、希望する仕事ができない場合があることです。

SES企業では、エンジニアに対して、希望する現場の条件を事前にヒアリングする機会を設けています。しかし、クライアントが希望するスキルを保有していないなどの理由で、エンジニアの要望が通らないケースもあります。

自身の希望が通らない状況が続くと仕事へのモチベーション低下につながります。社内の交流が少ないことから周囲に相談もしづらく、その結果、帰属意識の低下につながってしまう場合があるでしょう。

評価制度があいまいである

SESエンジニアが帰属意識を持ちにくい5つ目の理由は、評価制度があいまいなことです。

客先常駐エンジニアを評価するのは、現場にいる社外の人ではなく、普段は一緒に仕事をしていない自社の上司となります。

エンジニアの普段の働きぶりを見ていない上司が評価することで、自身では仕事に貢献したと考えていたことが、上司にはそれほど評価されないといったことが発生しかねません。

努力が正当に評価されない状態が続くと、エンジニアは自社に対して不満を持ちやすくなり、帰属意識の低下にもつながるでしょう。

SESエンジニアの帰属意識が低いことで生じる問題

SESエンジニアの帰属意識が低くなると、以下のような問題が生じます。

・離職率が高くなる

・従業員のモチベーションが低くなる

・従業員同士の連携が難しくなる

それぞれの問題について解説します。

離職率が高くなる

SESエンジニアの帰属意識が低下すると、離職率が高くなるという問題が発生する可能性があります。

エンジニアの帰属意識が低くなると、仕事環境や給与面などに対して不満があったときに、よりよい条件の職場を求めて簡単に離職という決断をしやすいです。

とくに客先常駐が多いSESエンジニアの場合、不安や悩みがあっても相談相手がおらず、うまく解決できずに離職につながってしまうケースも多くみられます。

従業員のモチベーションが低くなる

SESエンジニアの帰属意識が低下することで、仕事に対するモチベーションも低下しやすくなります。

とくに、エンジニアの普段の働き方や成果を適切に評価できていないと、仕事への意欲が低下し、不満がつのることで離職にもつながってしまいます。

エンジニアに限ったことではありませんが、不満を抱きやすい評価制度の例としては、そもそもの評価方法の説明不足、評価者の主観による「好き・嫌い」が色濃い感情的な評価、業務実態を評価したと思えない形式的なペーパーテストなどが挙げられるでしょう。

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従業員同士の連携が難しくなる

SESエンジニアの帰属意識の低下は、従業員同士の連携が難しくなるというリスクにもつながります。

基本的に常駐先で就業することが多いSESエンジニアは、自社の同僚、先輩などの従業員とコミュニケーションを取る機会が少ないです。そのため、仕事でなんらかのトラブルが発生しても自社に相談せず、1人で抱え込んでしまうケースも考えられます。

エンジニアの抱える問題が社内で共有されないことにより、SES企業側のフォローができず、その後、クライアント先と大きなトラブルにつながってしまう可能性もあるでしょう。

SESエンジニアの帰属意識を高める方法

SESエンジニアの帰属意識を高めるには、以下のような方法があります。

・チームで現場に入る

・評価制度を明確にする

・社内コミュニケーションを活発にする

・キャリアパスを示す

これらの方法について解説していきます。

チームで現場に入る

客先常駐であるSESエンジニアに帰属意識を持たせるためには、可能なかぎり社内の人間とチームで現場に入ることが望ましいです。

自社の同僚や先輩が同じ職場に常駐していれば、わからないことや相談したい悩みなどがある場合にも頼りやすくなります。

また、社内のメンバーとともに仕事を続けることで、自社に所属しているという意識も高まりやすくなります。

評価制度を明確にする

エンジニアに対する評価制度を明確にすることも、帰属意識を高める方法として効果的です。

透明性があり、評価軸も理解がしやすい評価制度が整っていれば、自身がやるべきことのイメージを持ちやすくなります。

また、適切に評価するためには定期的にエンジニアと面談を行い、担当業務の内容について把握しておくことも重要です。

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社内コミュニケーションを活発にする

社内コミュニケーションを活発にすることも、SESエンジニアの帰属意識を高めるのに効果的です。

自社の同僚や先輩とのコミュニケーションを取る機会が少ないSESエンジニアは、自社に所属しているという意識が低下しやすくなります。

そのため、社内のスタッフ同士が定期的にミーティングなどで話し合いをする機会を設けることが大切です。

また、現場にはいない上司や営業担当とも最低でも月に1回は面談を行い、現状の悩みや問題などを共有することで、エンジニアの帰属意識を高める効果が期待できます。

キャリアパスを示す

エンジニアが希望するキャリアの形成ができるように、企業側がエンジニアのキャリアパスを示すことで、エンジニアの帰属意識の向上につながります。

例えば、エンジニアに対して興味のある分野・スキルなどをヒアリングしたり、リーダーなどのポジションを任せたりすることで、希望するキャリアを築けるよう配慮する体制をつくっていくなどの方法があります。

SESエンジニアの帰属意識を高めるための対策が必要

SESエンジニアの帰属意識が低くなると、離職率が高くなったり、モチベーションが低下したりと、さまざまな問題の発生につながります。

エンジニアの帰属意識を高めるためには、評価制度の明確化やチームで現場に入ること、また社内でのコミュニケーションを活発にするなどの対策が必要です。

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