勤怠計算とは?やり方・計算方法・よくあるミスと効率化のポイントを解説!

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勤怠計算とは?やり方・計算方法・よくあるミスと効率化のポイントを解説!

給与計算や労務管理の現場において、勤怠計算は避けて通れない業務です。しかし「残業時間の集計方法がわからない」「端数処理を誤って未払い残業代が発生した」といったトラブルを抱える担当者も少なくありません。 

計算ミスは従業員との信頼関係を損なうだけでなく、労働基準法違反として法的リスクにもつながります。特に中小企業では専任の労務担当者がいないケースも多く、担当者一人ひとりの正しい知識が重要です。

そこで本記事では、勤怠計算の基本的な仕組みから具体的なやり方・よくあるミス・効率化のポイントまでをまとめて解説します。

勤怠計算の基本と必要な準備

勤怠計算を正確に行うには、まず法律の要件・社内ルール・記録データの3つをしっかり整理することが重要です。正しい準備なくして正確な計算はできません。 

労働基準法に基づく適正な労働時間の把握

勤怠計算の出発点となるのが、労働基準法に基づく労働時間の把握です。法定労働時間は原則として1日8時間・週40時間と定められており、これを超えた労働には時間外割増賃金の支払いが義務付けられています。 

重要なのは、労働時間は1分単位で記録・管理することが原則であるという点です。「15分未満は切り捨て」のような日単位の切り捨て処理は労働基準法に違反します。

企業は従業員の出退勤を客観的に記録・管理する義務があり、タイムカードや電子システムを活用した適正管理が求められます。管理方法は自己申告制よりも、客観的な記録手段を用いることが厚生労働省のガイドラインでも推奨されています。

就業規則と雇用契約書の確認

勤怠計算を行う前に、必ず就業規則と雇用契約書の内容を確認しましょう。所定労働時間・休日の設定・休憩時間の取り扱い・割増賃金率などは、会社ごとに異なります。

法定の基準を下回らない範囲であれば会社独自のルールを設けることは認められているため、実態に合った計算を行うためにも書類の確認は欠かせません。 

特に雇用形態(正社員・パート・派遣など)によって適用されるルールが異なる場合もあるため、雇用形態別に計算ルールを整理しておくことが重要です。

変形労働時間制や裁量労働制を導入している企業では、通常とは異なる計算方法が必要になります。就業規則は定期的に見直し、法改正に合わせて更新する運用体制を整えましょう。

タイムカードや勤怠システムの記録収集

計算の元となるデータをどう収集するかも重要なポイントです。タイムカード・ICカード・勤怠管理システムなど、打刻方法は企業によってさまざまです。いずれの方法でも、出勤・退勤・休憩の時刻を正確に記録・保管することが求められます。 

手書きや紙ベースの管理では転記ミスや集計ミスが発生しやすいため、クラウド型の勤怠管理システムへの移行が進んでいます。記録の収集から集計・給与計算連携まで自動化できるシステムを選ぶと、業務効率と正確性の両方を高めることができます。

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勤怠計算の具体的なやり方と手順

勤怠計算には決まった手順があります。所定労働時間の把握から始まり、残業・深夜・休日の各区分を正しく集計することが、正確な給与計算の前提となります。

所定労働時間と実労働時間の算出

まず基準となるのが所定労働時間(会社が定めた1日の労働時間)です。たとえば9時始業・18時終業・休憩1時間であれば、所定労働時間は8時間となります。

次に、タイムカードなどの記録から実際に働いた時間(実労働時間)を算出します。 実労働時間の計算式は「退勤時刻 ー 出勤時刻 ー 休憩時間」です。この数値と所定労働時間・法定労働時間を比較することで、時間外労働の有無を判断します。

分を時間に変換する際は60進法を10進法に直す必要があり(例:45分=0.75時間)、手計算では計算ミスが起きやすい箇所のひとつです。勤怠システムの関数活用で変換ミスを減らせます。

時間外労働(残業時間)の集計

時間外労働は「法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた労働」を指します。

所定労働時間が法定時間を下回る場合、所定外労働であっても法定内残業となり、割増なしで計算するケースもあります。一方、法定時間を超えた法定外残業には25%以上の割増賃金が必要です。

残業時間の集計は、日々の記録を1分単位で積み上げ、月の合計をもとに行います。月の合計時間に30分未満の端数がある場合は切り捨て・30分以上は切り上げ処理が例外的に認められていますが、日単位での切り捨ては認められていません

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深夜業・休日出勤の割増賃金の計算

時間外労働のほかに、深夜業と休日出勤にも割増賃金の支払いが必要です。深夜業(22時〜翌5時)は25%以上、法定休日(週1日確保が義務の休日)出勤には35%以上の割増率が適用されます。 

割増賃金の計算式は「時間単価 × 割増率 × 時間数」です。時間単価は「月給 ÷ 月平均所定労働時間数」で求めます。深夜に時間外労働が重なる場合は割増率が50%以上(25%+25%)になるため、勤務時間帯ごとに区分して集計することが正確な計算のポイントです。

区分ごとに記録を分けて管理できる仕組みを整えておくと、月次集計の精度が大きく向上します。

勤怠計算で発生しやすいよくあるミス

勤怠計算は手順が多く、ルールも複雑です。担当者が陥りやすい代表的なミスを把握しておくことで、未然にトラブルを防ぎやすくなります。

端数処理(切り捨て・切り上げ)の間違い

最も多いミスのひとつが、端数処理のルールを誤って適用してしまうケースです。「日々の残業時間を30分単位で切り捨てる」「15分未満の残業は切り捨てる」といった運用は、労働基準法違反となります。1日の労働時間は1分単位で記録・計算することが原則です。 

例外として認められているのは、1カ月の残業時間合計における端数処理のみです。月の合計に30分未満の端数がある場合は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げることが認められています。

この例外規定を日単位に適用してしまう誤りが現場では頻繁に起きるため、担当者への周知徹底と就業規則への明記が重要です。

休憩時間の控除漏れと計算ミス

実労働時間の算出において、休憩時間の控除を忘れる・誤るケースもよく見られます。労働基準法では、6時間超の労働には45分以上・8時間超の労働には1時間以上の休憩付与が義務付けられています。

問題になりやすいのが「休憩中に電話対応をした」「昼休みに業務指示を受けた」といった実態です。このような場合、休憩とみなせない時間は労働時間に含める必要があります。

勤怠システムで自動集計している場合でも実態との乖離が生じやすいため、定期的に実態確認を行うことが重要です。

法改正(残業上限規制など)への対応遅れ

2019年施行の働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制が法定化されました。

原則として月45時間・年360時間が上限となり、特別条項を設けた場合でも年720時間・単月100時間未満(休日労働含む)が限度です。建設・運送・医療など一部業種は2024年4月から規制の対象となっています。

法改正への対応遅れは、法令違反だけでなく行政指導や罰則のリスクにもつながります。就業規則の見直しや計算ルールの更新を定期的に行い、現行法に準拠した運用を維持することが不可欠です。

勤怠計算を正確に効率化するポイント

手作業に頼った勤怠計算には限界があります。ミスを減らしながら業務を効率化するための具体的な手段を確認しておきましょう。

給与計算ソフトと連携できるシステムの導入

勤怠管理システムと給与計算ソフトを連携させることで、集計から給与計算まで一気通貫で処理できます。

手入力による転記ミスがなくなり、月次業務にかかる時間を大幅に削減できます。クラウド型のシステムであれば、複数拠点や在宅勤務にも対応しやすく、従業員がスマホから打刻できる環境も整えられます。 

システム導入時のポイントは、自社の就業規則や雇用形態に対応した設定が可能かどうかです。変形労働時間制・裁量労働制・フレックスタイム制など多様な働き方に対応できるシステムを選ぶことで、長期的な運用コストを抑えることができます。

打刻漏れや申請エラーの自動アラート設定

勤怠計算の精度を高めるうえで、打刻漏れや申請エラーを自動検知するアラート機能は非常に有効です。

従業員が出勤を打刻したまま退勤を押し忘れた場合や、残業申請なしに時間外労働が発生した場合などに、担当者や本人へ自動通知を送る仕組みを整えることで、データの欠損を最小限に抑えられます。

また、月次の締め処理前に未承認の申請がないかをチェックする機能も活用すれば、給与計算直前の慌てた確認作業を減らせます。アラートの設定はルール化しておくことで担当者の負担を大きく軽減でき、ヒューマンエラーの防止にも効果的です。

アウトソーシング(社労士等への委託)の活用

社内リソースが限られている場合や、法改正への対応に不安がある場合は、社会保険労務士(社労士)への委託も有効な選択肢です。勤怠集計・給与計算・年末調整などをまとめてアウトソーシングすることで、担当者は本業に集中できます。

委託する際は、勤怠データの受け渡し方法や対応のスピード感、料金体系を事前に確認しましょう。勤怠管理システムと組み合わせてデータを共有する体制を整えると、委託先とのやり取りもスムーズになります。

自社での管理とアウトソーシングを組み合わせたハイブリッド運用も、規模や状況に応じて検討する価値があります。

まとめ

勤怠計算は労働基準法に基づいて正確に行う必要があり、端数処理のルールや割増賃金の区分を誤ると法的リスクにつながります。日々の記録を1分単位で管理し、就業規則と法改正に対応した計算フローを整えることが基本です。 

手作業による計算ミスを防ぐには、勤怠管理システムの導入が効果的です。システム選定の際は、給与計算ソフトとの連携や打刻漏れアラートなど、自社の運用に必要な機能が揃っているかを確認しましょう。

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SES業界では、複数現場に常駐するエンジニアの勤怠を正確かつ効率的に管理することが特に重要です。

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未提出者の確認から請求書の作成まで一元管理できるため、担当者が手動で追いかける手間が省けます。勤怠計算の効率化と正確性向上を同時に実現したい方は、ぜひFairgritの機能ページもあわせてご確認ください。

参考: Fairgrit®(フェアグリット) | SES業務が劇的に改善できるSES業界完全特化型の業務効率化SaaS

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