この記事は Agent Grow Advent Calendar 2025 の記事です。
1.はじめに
先日、宇宙のごみを除去する取り組みを行っているアストロスケール社の「Orbitarium」に行ってきました!
Orbitariumは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)問題やアストロスケールの取り組みを学べる施設です。
今回は、少し視点を地球の外へ。果てしない宇宙に漂う宇宙のゴミ(Space Debris)について書こうと思います。
宇宙のゴミ、正式には「スペースデブリ(Space Debris)」と呼ばれます。
聞いたことがある方も多いかもしれませんが、これは使われなくなった人工衛星やロケットの破片のこと。
実はこのデブリ、地球のまわりを秒速7km以上というスピードで飛び回っています。(拳銃の弾丸より速い)
ちょっとしたネジ1本でも、その速度では凶器。
現役の人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)にとっては大きな脅威なんです。
2.実はデブリは広大な宇宙に潜む問題児
宇宙開発が進むにつれて、打ち上げられる衛星の数も増加。
そして古くなった衛星や分離したロケットの部品がそのまま放置され、
「宇宙の交通渋滞」状態になっています。
これがもし衝突すると、新たな破片が生まれ、
さらに別の衛星にぶつかったりという“デブリ連鎖反応”が起きる恐れがあります。
以下は、実際にorbitariumで見たデブリを再現した模型
3.アストロスケールという挑戦者
そんな課題に立ち向かっているのが日本発の宇宙ベンチャー アストロスケール です。
彼らは「持続可能な宇宙利用(Space Sustainability)」をミッションに掲げ、
“使い終わった衛星を片付ける”技術を世界に先駆けて開発しています。
たとえば、磁力や特殊なアームを使ってデブリを捕まえ、
大気圏に再突入させて安全に焼却する。そんな仕組みを実証中。
「宇宙にも清掃員が必要」という考え方を現実にしようとしているのです。
現在、アストロスケールは模擬デブリを磁力で捕獲する実験段階にあり、まだ本格的な宇宙での運用に至っていませんが、その技術力は世界でトップといわれております。
以下は、実際にデブリを除去するアストロスケール社の衛星です。(来年か再来年の打ち上げ予定らしいです)
4.宇宙とのかかわり
宇宙は、もはや特別な人だけの場所ではなくなりつつあります。
通信・気象観測・測位システム(GPS)、そして未来の移動手段まで、私たちの暮らしはすでに宇宙の技術に支えれています。
だからこそ宇宙を”使う”だけではなく”守る”ことが求められるのかもしれないです。
”守る”という観点で、今回はスペースデブリについて取り上げましたが、実際には宇宙空間での紛争防止や衛星へのサイバー攻撃対策など、課題は多岐にわたります。
地球の中でも課題は山積みなのに、宇宙に行けば、きっともっと増えるかもしれませんね。



