【2026年版】SESの単価相場はいくら?職種・経験年数・契約形態別に徹底解説
いざSESを利用しようとすると、多くの担当者が最初につまずくのが「この単価は高いのか、安いのか分からない」という問題です。
実際、SESの単価相場を調べると「月40万円〜100万円以上」といった非常に幅の広い情報が出てきます。しかしこの数字だけを見ても、自社の案件に対して適正な価格なのか、提示されている条件が妥当なのかを判断することはできません。
そこで本記事では、SESを利用したい企業の担当者向けに、2026年時点の最新のSES単価相場を整理した上で、職種別・レベル別の目安、単価の内訳構造、そして「失敗しないSES活用」のために押さえるべきポイントまでを分かりやすく解説します。
INDEX
SES単価相場の目安

SES(システムエンジニアリングサービス)の単価相場は、「職種」「経験年数」「スキルの希少性」「参画フェーズ」「契約条件」など複数の要素によって決まります。
そのため、単純に「高い・安い」と断定するのは難しく、市場全体のレンジ感を把握したうえで、自社の要件と照らし合わせて判断することが重要です。
以下では、まず職種別の一般的な相場レンジを整理したうえで、「高い・安い」を判断するための考え方を解説します。
職種別・全体相場レンジ
SESにおける月額単価の相場は、職種ごとにおおよそのレンジが形成されています。以下は、2026年前後の市場感を踏まえた一般的な目安です。この目安を元に、各社の営業力やエンジニアのスキル/経験などの要因が影響し、最終的な単価が決まります。
| 職種 | 月額単価相場 |
| 初級PG | 40〜55万円 |
| 上級PG/SE | 55〜80万円 |
| インフラ | 55〜80万円 |
| PM/PL | 70〜100万円 |
| AI・データ | 80〜120万円 |
初級PGは、実装からテストまでのフェーズを担うことが多く、未経験/新卒や経験年数が浅いエンジニアの場合、40万円台からのスタートが一般的です。上級のPGやSEクラスになると、経験やスキルも豊富であり対応技術の幅が広くなるケースが多いので、70万円超になることもあります。複数の領域に強みを持っている場合は、更に高額になるケースもあります。
インフラエンジニアは、クラウド(AWS・GCP等)やセキュリティ領域の経験有無で単価差が出やすい職種です。PM/PLは、プロジェクト規模やマネジメント人数によって大きく変動し、AI・データ系は高度な専門性が求められるため対応できる人材が希少であるがゆえに高単価帯が形成されています。
「高い・安い」の判断基準
SES単価が「高いか安いか」を判断する際に重要なのは、相場平均との差ではありません。エンジニアのスキルや経験と、提供される価値とのバランスを見るべきです。
たとえば、相場より10万円高くても、立ち上がりが早く成果創出までの時間が短い人材であれば、結果的にコストパフォーマンスは高くなります。
判断の軸としては、①即戦力度(教育コストが不要か)、②業務範囲の広さ(設計・改善提案まで担えるか)、③代替可能性(他で簡単に見つかるか)、④リスク低減効果(トラブル回避・品質向上)などが挙げられます。
逆に、単価が相場より安く見えても、指示待ちで生産性が低い場合や、フォロー工数がかかる場合は、トータルコストが膨らむ可能性もあります。SES単価は「月額金額」だけでなく、「成果とリスクを含めた総合的な投資対効果」で判断することが重要です。
SES単価はどうやって決まるのか?

SES単価は、エンジニア個人のスキルだけで決まるものではありません。実際には「人件費」を起点に、会社運営に必要なコストやリスク、そして商流構造が重なり合って最終的な月額単価が形成されます。
そのため、同じレベルのエンジニアであっても、契約条件や発注ルートによって提示単価が大きく異なるケースは珍しくありません。
ここではまず、SES単価を構成する内訳を整理し、その後に商流の違いによって生じる単価差について解説します。
SES単価の内訳構造
SES単価の基本構造は、大きく分けて「エンジニアの人件費」「会社運営コスト」「利益・リスクバッファ」の3要素で構成されています。
まず人件費には、月給だけでなく賞与、社会保険料、福利厚生費などが含まれます。仮にエンジニアの年収が500万円の場合、企業が実際に負担する総人件費はそれ以上になるのが一般的です。
次に会社運営コストとして、採用費、教育・研修費、営業人件費、管理部門コスト、待機期間中の固定費などが発生します。SES事業では、案件終了後にすぐ次が決まらない「待機リスク」を企業側が負うため、その分のバッファも必要です。
最後に利益・リスクバッファです。これは単なる利益ではなく、急な離任対応やトラブル時の調整、長期的な事業継続のために不可欠な要素です。これらを積み上げた結果として、月額のSES単価が設定されます。
【職種別】SES単価相場と依頼内容の目安

SESを活用する際に重要なのは、単に単価相場を把握することではなく、「その単価帯で、どのレベル・どこまでの業務を依頼できるのか」を理解することです。職種ごとに求められる役割や市場価値は大きく異なり、同じ月額でも期待できる成果は変わります。
ここでは主要な職種別に、SES単価の相場感と、企業側が依頼できる業務内容の目安を整理します。自社の課題やプロジェクトフェーズと照らし合わせながら、適切な人材選定の参考にしてください。
なお、提示している単価感はあくまでも目安であり、エンジニアの経験やスキルレベルなどの要因によって大きく変動する可能性があります。
Webエンジニア
WebエンジニアのSES単価相場は、月額55〜75万円前後が中心です。主な業務内容は、Webアプリケーションの実装・改修、既存サービスの機能追加、軽微な設計対応などが該当します。
60万円前後のレンジでは、既存仕様を理解したうえでの実装対応が中心となり、詳細設計や技術選定は限定的なケースが多くなります。
一方、70万円以上になると、バックエンド・フロントエンド双方を横断的に対応できたり、パフォーマンス改善や技術的な改善提案まで担える人材が増えます。スピード感を求めるWebサービス開発では、即戦力かどうかが単価判断の重要なポイントです。
業務系SE
業務系SEの単価相場は、月額55〜80万円程度が目安です。業務システム(基幹系・業務支援系)における設計、開発、テスト、保守運用まで幅広く対応します。
60万円前後では、詳細設計〜実装フェーズを中心に、既存システムの理解を前提とした作業が主となります。
70万円以上になると、要件定義補助や顧客折衝、業務理解を踏まえた改善提案まで対応できるケースが多くなります。業務知識の深さが成果に直結しやすいため、単価だけでなく、過去の業界経験も重視すべき職種です。
インフラ・クラウド
インフラ・クラウドエンジニアの相場は、月額55〜80万円が中心で、クラウド技術の有無によって差が出やすい職種です。オンプレミス環境の運用・保守から、AWSやGCPを用いた設計・構築までが主な業務範囲となります。
60万円前後では、運用・保守や手順に沿った構築作業が中心となり、設計レベルの裁量は限定的です。
70万円以上になると、クラウド設計、セキュリティ設定、コスト最適化など、上流寄りの業務も任せやすくなります。障害対応や安定稼働が求められる現場では、経験値がそのまま単価に反映されやすい傾向があります。
PM / PMO / テックリード
PM・PMO・テックリードの単価相場は、月額70〜100万円程度です。開発そのものよりも、プロジェクト全体の推進・管理が主な役割となります。
70〜80万円帯では、進捗管理や課題管理、関係者調整を中心としたPMO的な役割が多くなります。
90万円以上になると、プロジェクト全体の責任を持つPMや、技術的な意思決定を担うテックリードとしての関与が期待されます。成果が見えにくい職種だからこそ、過去の実績やコミュニケーション力が単価以上に重要です。
AI・データ系
AI・データ系エンジニアの相場は、月額80〜120万円と高水準です。機械学習モデルの構築、データ分析基盤の設計、PoCから実装フェーズまで幅広い業務が含まれます。
80〜90万円帯では、既存モデルの改善やデータ分析業務が中心となりますが、100万円を超えると、ビジネス課題の整理からアルゴリズム選定、実装方針の策定まで担える人材が増えます。
専門性が高く代替が難しいため、単価だけでなく「どこまで任せたいか」を明確にしたうえでの依頼が不可欠です。
【経験年数・レベル別】SES単価相場と期待値

SES人材の適正単価を評価する際、際、経験年数は重要な指標の1つです。もちろん、それだけで実力を正確に測れるわけではありませんが、一般論として「経験年数×役割」による相場感と期待値が形成されています。
企業側としては、「相場より安いから良い」「年数が長いから安心」といった単純な判断ではなく、具体的にどのような業務を任せたいのか、SES人材に対して何を求めるのかを明確にしたうえで判断することが重要です。
ここでは、SES市場で一般的に想定される経験年数別の単価レンジの一例と、企業側が期待できる役割・アウトプットの目安を整理します。
若手クラス(〜3年)
若手クラスのSES単価相場は、月額40〜55万円程度が目安です。未経験者や経験の浅いエンジニアであることが大半なため、主にプログラミングやテスト、運用補助など、明確な指示や仕様がある業務を中心に担当します。
この層に期待されるのは、スピードや柔軟性、吸収力です。一方で、要件の曖昧さを自力で解消したり、設計上の判断を任せることは難しいケースが多いため、教育・フォロー前提でのアサインが必要になります。相場より低単価の場合、経験不足による手戻りや管理工数の増加といったリスクも考慮すべきです。
単純な作業量を確保したいフェーズや、チームのサポート役としての活用が向いています。
中堅クラス(3〜7年)
中堅クラスの単価相場は、月額55〜80万円程度です。SES市場で最も需要が高く、即戦力として期待されるレンジでもあります。
このクラスでは、詳細設計から実装、テストまでを一通り自走でき、既存システムの仕様理解や軽微な改善提案も任せやすくなります。70万円前後になると、後輩指導やサブリーダー的な役割を担うケースも増えてきます。
ただし、同じ年数でも経験してきたプロジェクトの質によって実力差が大きいため、単価とあわせて「何をやってきたか」を具体的に確認することが重要です。中長期案件や、品質・安定性を重視する現場に適した層といえます。
即戦力・上流クラス(7年以上)
経験7年以上の即戦力・上流クラスでは、月額70〜100万円以上が相場となります。単なる作業者ではなく、プロジェクト全体への影響力が期待されるレベルです。
この層に求められるのは、要件定義や基本設計、技術選定、関係者との調整といった上流工程への関与です。課題の整理やリスクの先回り、トラブル時の意思決定など、「人が増えた分以上の価値」を提供できるかが判断基準になります。
単価は高く見えますが、設計ミスや手戻りを防ぎ、プロジェクト全体の生産性を高められる場合、結果的にコスト削減につながるケースも多いのがこのクラスの特徴です。
適正単価で良いSES人材を確保する方法

SES人材の確保において、「良い人が来ない」「単価が高い割に期待通りではない」と感じる原因の多くは、単価そのものではなく発注側の定義不足にあります。スキル条件を並べるだけではプロジェクトにマッチした人材に出会えるわけはありません。
適正単価で質の高いSES人材を確保するためには、「何ができる人か(どんなスキルを持った人か)」にフォーカスしすぎず、「何を任せられ、どんな成果が期待できる人なのか」を明確にすることが重要です。
ここでは、発注時と面談時に企業側が押さえるべき2つのポイントを解説します。
「役割」と「成果物」を定義する
SES企業への発注時に定義すべきなのは、使用言語や経験年数といったスキル要件だけではありません。本当に重要なのは、その人に何を任せ、どこまで責任を持ってもらうのかを具体化することです。
発注時には、スキル要件に加えて以下のポイントについても定義しておくと良いでしょう。
- その人に任せたい業務内容
- 参画後3か月で期待する状態
- 社内メンバーとの役割分担
- 成果物・責任範囲
たとえば「Java経験5年以上」という条件だけでは、設計ができるのか、実装専任なのかは判断できません。一方で、「既存仕様を理解し、3か月後には一人称で改修案件を回せる状態」「設計は社員が担い、実装とテストを任せる」と定義すれば、必要なレベルと単価が自然と見えてきます。
この整理ができていないと、結果的にオーバースペックな人材を高単価で採用したり、逆に期待値と実績が見合わず現場負荷が増える原因になります。
「スキル確認」より「再現性」に注目する
ありがちな失敗として、「経験技術や保有資格にだけ気を取られてしまう」というものがあります。発注側が本当に確認すべきなのは、「その人が過去にどういう文脈で成果を出してきたか」に加えて、「それを自身のプロジェクトでも期待できるのか」という再現性です。
具体的には、以下の観点を深掘りすることが重要です。
- 過去案件で何を求められ
- どこまで任され
- どういう成果を出し
- 何で評価されたか
この流れを理路整然と説明できるような人材であれば、環境が変わっても一定の成果を出せると期待できるでしょう。逆に、スキルは豊富でも「指示された作業しかしていない」「評価軸を理解していない」場合、他者によるフォローアップが必要になってくるかもしれません。
SESは人への投資だからこそ、単価の数字ではなく、成果を生み出すプロセスに目を向けることが、適正単価で良い人材を確保する近道です。
まとめ
SES単価は「相場」だけで判断するものではなく、役割・期待成果・再現性をどれだけ明確にできているかで、適正かどうかが決まります。
スキル条件だけの発注や、表面的な面談では、単価が高くても成果が出ないリスクが高まります。逆に、役割と成果物を定義し、過去実績の再現性を見極めることで、適正単価でも質の高いSES人材の確保は十分に可能です。

Fairgrit®メディア編集部です。
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