企業がエンジニアを採用できない理由とは?採用を成功させるポイントも解説

COLUMN

お役立ち情報

企業がエンジニアを採用できない理由とは?採用を成功させるポイントも解説

現在、多くの業界で人手不足や人材確保の難しさが問題になり始めています。IT業界でも、社会のIT化やDX化が進む中で必要な人材が集まらないなど、採用活動に課題を抱えている企業も多いことでしょう。採用を行う人事担当者の中には、「エンジニアを募集しても集まらない」「希望する人材からの応募がない」といった悩みを抱えている方もいるかもしれません。

そこで本記事では、企業がエンジニアを採用できない理由や、企業が抱える採用課題について解説します。また、希望するエンジニアを採用するために重視すべきポイントについてもご紹介します。

企業がエンジニアを採用できない理由とは?

企業がエンジニアを採用できない理由として、さまざまな外的要因と内的要因が考えられます。たとえば、IT業界のエンジニア不足やIT技術の変化に加え、多様化するエンジニアの働き方(外的要因)と、企業が抱える採用課題(内的要因)があります。

ここからは、企業がエンジニアを採用できない外的要因を中心に解説します。

市場にエンジニアが不足している

国内の労働人口が減少しているため、どの業界も労働力が不足しており、とくに需要が拡大しているIT業界では人手不足が深刻です。経済産業省が発表した「IT人材需給調査」によると、仮にIT需要が「低位」とされる1%の伸び率だった場合でも、2030年には16.4万人のIT人材が不足すると推測されています。

また、仮に「高位」の3%~9%の伸び率で2030年を迎えた場合には、78.7万人もの需給ギャップが生じると予測されているのです。

参考:ーIT人材需給調査ー(経済産業省)

IT需要が低位だった場合でも、将来的にエンジニア不足が深刻化することは間違いないといっても過言ではありません。そのため、現段階でエンジニアの採用に苦慮している企業の多くは、エンジニアの確保がよりいっそう難しくなるでしょう。

IT技術の変化が速い

IT技術が想像を超える速さで変化し続けている点も、企業がエンジニアを採用できない理由の1つです。IT業界では日々新しい技術が生まれ続けているため、最新情報を手に入れなければ、業務についていけなくなることもあります。そのため、エンジニアは常に最新の技術や言語へ情報のアップデートが求められます。

しかし、すべてのエンジニアが最新技術のアップデートに対応できるとは限りません。採用市場にいるエンジニアの中から、自社の業務に即戦力として対応できる人材を探そうとしても、なかなかふさわしい人材が見つからず採用にまで至らないのが実情です。

採用手段の多様化・複雑化

エンジニアの採用に限らず、採用そのものの手段が多様化している点も、企業がエンジニアを採用できない理由の1つといえます。

たとえば、採用の情報発信をしている企業と求職者は、WebサイトやSNSを通じて直接的な情報交換や交流を行っています。また、求職者を直接スカウトしたり、自社ブログやSNSアカウントを活用して人材募集をかけたりする企業も増加しているのが現状です。

そのため、求人広告での募集や自社サイトでの求人掲示だけでは、従来よりも人材確保が行いにくい環境になりつつあるのです。

優秀なエンジニアが囲い込まれている状況

優秀なエンジニアは高待遇の企業に囲い込まれているため、エンジニアの採用が難しくなっています。

市場全体が人材不足ということは、エンジニア目線では転職しやすい売り手市場といえます。そのため、給与や待遇に不満を持ち始めると転職されてしまいやすい傾向にあるのです。そうならないために、優秀なエンジニアを好待遇で囲い込み、転職や独立させないようにしている企業は多いです。

優秀なエンジニアを好条件で囲い込める大企業は優秀な人材の流出を防げますが、中小企業は資金面で同等の囲い込みが難しいため、人材の確保に悩まされています。

エンジニアの働き方が多様化している

働き方が多様化している中で、フリーランスや副業など、正社員以外の働き方をしたいエンジニアも増えています。エンジニア職は、経験やスキルがあれば他業種よりも比較的独立しやすいため、多様な働き方が選択しやすいです。

また、副業を認める企業も増加しているため、副業でエンジニアの仕事を請け負う人も増えています。副業でエンジニアの仕事を請け負えば、わざわざ転職活動をしなくてもキャリア形成や年収アップが期待できるため、会社に属するという選択肢を選ぶ人が少なくなってきているのです。

エンジニアを採用できない企業の課題

エンジニア採用に関する課題の背景には、外的要因のほかに内的要因があります。企業が抱える内的要因も解決しなければ慢性的な人手不足の解消にはつながりません。

ここからは、内的要因、つまりエンジニアを採用できない企業が抱えている主な課題について解説します。

ターゲットを絞り込めていない

ターゲットを絞り込まずに採用活動をすると、採用がなかなか進まない可能性があります。ターゲットを絞らずに募集人材を広げ過ぎると、求職者に刺さるようなアピールができず、競合他社と比べて見劣りする募集内容になってしまいます。

そのため、自社に必要なエンジニアの具体的な人物像を明確にし、ターゲットを絞り込むことが大切です。たとえば、自社で求めているスキルや、自社業務を行うにあたって必要な業務経験などを明確にし、採用後の業務内容を具体的にイメージしやすい募集要項にすることをおすすめします。

ただし、あまりターゲットを絞り込み過ぎてしまうと、該当者が少なくなってしまい、応募者が集まらない可能性があるので注意しましょう。

面接官がスキルを見極められていない

人事部門の採用担当者がエンジニアに関する知識が少ない場合、面接でスキルを見極められない可能性があります。知識やスキルの確認ができない場合、自社に必要な人材かどうかも面接時に判断できません。

企業によって必要なスキルは異なるため、採用担当者は自社で業務をするのにどのようなスキルが必要か事前に関係者に確認しておきましょう。専門的なエンジニアの知識を持った社員を面接に同席させることも有効な手段の1つです。

競合と差別化ができていない

エンジニア職は需要が高まっているため、求職者は複数の求人情報からより条件のよい職場を選びます。競合他社との差別化ができなければ、応募段階でエンジニアを他社に取られてしまうかもしれません。

そこで、競合他社と比較して優れているポイントや自社の強みを明確にしておき、求職者に分かりやすく伝える必要があります。募集時だけでなく面接などの選考段階でも、自社の強みや差別化のポイントを積極的にアピールし、求職者に自社を選択してもらえるようにしましょう。

内定辞退が多くて採用に至らない

応募者に内定通知を出しても、必ず採用につながるわけではありません。なぜなら、優秀なエンジニアほど複数の企業の求人に応募しており、他社からも内定をもらっている場合があるからです。

内定辞退を防ぐには、応募者と密にコミュニケーションを取ることが重要です。また、内定から入社までの期間が長くなる場合は、定期的に面談を行うなど関係性が途切れない工夫をするのも有効でしょう。

企業がエンジニアの採用に成功するためのポイント

エンジニア人材が不足している中で、どのような方法を取れば採用の成功につながるのでしょうか。ここからは、エンジニアを採用する際の重要なポイントについて解説します。

事業計画に基づいた採用計画を立てる

適切で効率的な採用を進める場合、事業計画を確認し、それに基づいた採用計画を立てることが重要です。事業計画に基づいて進めることで、将来必要になる人員の総数や必要なスキルを持った人材採用とのズレがなくなります。

現状で必要な人材の採用が実現できていない場合は、過去の採用計画の見通しが甘かったのかもしれません。事業計画に基づき採用計画を練り直し、軌道修正をしたうえで採用活動を進めましょう。

必要な人材を明確にする

どのような職種にも当てはまりますが、自社がどのような人材を求めているのかを明確にすることが大切です。その際は「人物像」といった漠然としたものだけでなく、具体的な保有スキルや業務経験などを細かく挙げていくと明確にしやすいでしょう。

必要な人材の条件が明確になれば、募集要項に求めるスキルや実績、経験役職などを具体的に記載できます。求職者が募集要項を見たときも、自分にマッチしている求人か判断しやすくなります。

必要な人材の条件を洗い出すときには、現段階で行っている事業はもちろん、今後取り組む新規事業に必要なエンジニアの人員や特性を把握することで、計画的な採用活動を行えます。

現場のエンジニアと連携する

自社に合った人材を採用するには、現場にいるエンジニアの協力が欠かせません。採用したエンジニアと既存のエンジニアとの連携がうまくいかなければ、生産性が落ちてしまうだけではなく、早期での離職につながってしまう可能性もあります。

そのため、現場のエンジニアの声に耳を傾けながら、現場が求めている人材を明確にしたうえで、採用要件を設定しましょう。

また、求職者の基本的な人柄や特性を人事担当者が確認し、現場のエンジニアとすり合わせを行いながら採用活動に取り組むことも重要です。その結果、既存のエンジニアも採用活動を自分事としてとらえてくれるようになるため、よりよい組織づくりにつながるでしょう。

採用要件を広げてみる

募集を行ってもエンジニアの採用がうまくいかない場合は、採用要件を広げることも有効な手段です。たとえば、育児中などでフルタイム勤務が難しいエンジニアや、外国人エンジニアなども含めた採用要件にすることが挙げられます。

労働環境の整備や言葉の壁などのハードルはあるものの、ポテンシャルのある人材が獲得できれば採用要件を広げる価値は十分あるでしょう。

また、国は障害者雇用者促進法に基づき、企業に対して雇用する労働者の2.3%に相当する障害者の雇用を義務付けています。2024年(令和6年度)から2.5%、2026年(令和8年度)からは2.7%と段階的に引き上げられる「障害者雇用」も検討してみましょう。

SES会社に依頼すれば採用コストを削減できる

IT業界は市場規模こそ拡大しているものの、エンジニアの人材供給が追いつかないため、人材不足に悩む企業が増えています。

その打開策として、SES企業を活用する方法があります。SES企業に依頼することにより、自社に必要なスキルや知識の基準をクリアしたエンジニアが早急に確保できます。

SES契約にコストは発生するものの、採用活動や教育にかかるコストが軽減できる点は大きなメリットといえます。また、繁忙期のみ依頼するといった柔軟な対応も可能です。

エンジニアを採用できないならばアウトソーシングも検討しよう

エンジニアの採用が困難な理由は、IT技術の変化に対応できるエンジニアが不足しているだけでなく、採用形態やエンジニア自身の働き方が多様化している点も挙げられます。さらに、企業の採用活動に課題がある場合には採用計画の見直しも必要です。

もし自社の採用活動でエンジニアの確保が難しい場合には、アウトソーシングを活用して、事業やプロジェクトを推進するのもおすすめです。

SES企業への依頼であれば、企業が求めるスキルや経験を持ったエンジニアをマッチングできます。人手不足が厳しい中、あらゆる可能性を考慮して自社に最適な人材確保を目指すことが大切です。

コラムの一覧へ戻る

RECOMMEND おすすめ記事

DOWNLOAD 資料一覧