高還元率のSESとは?メリットや選ぶときのポイントを解説

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高還元率のSESとは?メリットや選ぶときのポイントを解説

近年、マージン率を公開して、高還元率を掲げるSES企業を見かける機会が多くなっています。しかし、SESエンジニアの中には、「還元率とはそもそもなに?」「どうやって計算しているの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、還元率の基本的な情報をはじめ、高還元率のSESの特徴やメリットなどを解説します。

高還元SESとは?

明確に定義がされているわけではありませんが、一般的にSESエンジニアの単価(単金額)に対する還元率が高いSES企業は「高還元SES」と呼ばれています。

還元率とは、基本的に「単価(クライアントが支払う単金額)に対しての、エンジニア給与の割合」を指します。この還元率の計算方法は、企業によって異なるため注意が必要です。

還元率は給与の金額を決める際の指標となり、最近では還元率が70%を超える企業が高還元SESと呼ばれる傾向にあります。SESエンジニアとしては、同じ単価の案件の場合、基本的には高還元SES企業の方が高収入が期待できるため、できれば高還元SES企業で働きたいと考えがちです。

しかし、還元率が85%以上とあまりにも高い会社は、計算式が他社と極端に違っていたり、無理して還元率を高めに設定していたりする可能性があるため、還元率だけでSES企業を選ばないようにしましょう。

SESの還元率の計算式は会社ごとに異なる

基本的な還元率は「SESエンジニアの給与÷案件の単価」という計算で求められますが、細かい計算式は会社によって異なります。

会社によっては、案件の単価から案件獲得にかかった経費やエンジニアの待機報酬などの費用を差し引く会社もあります。この場合は、還元率と経費を考慮する必要があるため「SESエンジニアの給与÷(単価-経費)」で算出されるでしょう。

具体的に、SESエンジニアの給料を60万円、単価を100万円、経費を20万円として設定すると還元率は以下のようになります。

60万円 ÷(100万円 - 20万円)= 0.75(75%)

経費を差し引く計算式の場合、上記のケースでは還元率75%と高還元SES企業の水準となっています。逆に、経費を考慮しない場合の計算式は以下の通りです。

60万円 ÷ 100万円 = 0.6(60%)

上記のように経費を差し引かない場合は還元率が60%となります。還元率75%と比べると一見、給料も少なくなるように思えますが、実際の給料は還元率75%の場合と同じ60万円です。

このように、同じ単価でも計算式が違うと還元率は大きく変動しますので、高還元率のSES企業でも安易に給料が高いと考えない方がよいでしょう。

高還元SESのメリット

高還元SESを謳っている企業が増えていますが、高還元率にするとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、SESエンジニア側とSES企業側それぞれにどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

SESエンジニア側のメリット

SESエンジニアとしては、還元率の高さは給与に直結する大きなメリットです。

単価が同一だと仮定した場合、SESエンジニアへの還元率が高いほど手にする給与は高くなります。還元率の高いSES企業に所属することで、より年収アップを目指しやすくなるでしょう。

ただし、還元率は、単価から社会保険や年金、待機時給与などの費用を差し引くかどうかで大きく変動します。還元率が高ければ確実に収入が上がるというわけではないため、安易に「還元率が高い=給与が上がる」と思い込まないようにしましょう。

SES企業側のメリット

SES企業側としては、SESエンジニアへの還元率を高く設定することで、優秀な人材を集めやすいというメリットがあります。SESエンジニア目線からは、還元率を開示しているSES企業は「市場相場以上の年収を得られる可能性が高い」と見えるため、応募が集中しやすくなるのです。

IT業界は人材不足が問題となっているため、優秀なエンジニアを集めやすいという点は大きなメリットといえるでしょう。

また、エンジニアからの企業への信頼度にもつながるため、帰属意識を高めやすい点もメリットです。

ほかにも、収入の高さや企業への信頼はSESエンジニアのモチベーション、パフォーマンスの向上につながります。そのため、業務の質も高くなり、結果的に雇用主の企業に利益還元されることにつながるのです。

高還元SES企業の特徴

高還元率のSES企業には、還元率以外にも共通する特徴がいくつかあります。ここでは、主に共通する特徴を3つ紹介します。

案件を選べる

多くの高還元SES企業では、SESエンジニアが「案件を自分自身で選べる」という特徴を持っています。案件の選択権がSESエンジニアにあるということは、働く側の主体性を尊重し、労働環境の整備にも目を向けている可能性が高いです。

必要なスキルや経験を保有していることが前提にはなりますが、このような企業の場合、多様な働き方を認めているケースが多く、自分のライフスタイルに合った働き方が実現できるでしょう。

単価ベースで給与が決まる

高還元SES企業の中には、単価が事前に公開されており、公開された単価をベースに給与が決まる会社も多いです。そのため、給与の査定や基準が単価を考慮しているかどうかも、SES企業を探しているときに確認しましょう。

また、単価ベースで給与が決まる際にも、単価が公開されているので「給与が不透明で不安」「スキルに見合った給与ではないように感じる」といったSESエンジニアが抱えがちな不満も解消されます。

単価を知ることは自分自身が保有するスキルの価値を知ることと同義なため、納得感を持って業務ができるようになるでしょう。

フリーランスのように働けるケースがある

高還元SES企業は先述したような特徴に加え、副業が可能であったり、稼働時間が一般的な正社員よりも短めであったり、フリーランスのように自由度の高い働き方ができる場合もあります。

もし、フリーランスのような働き方に抵抗感がなく、個人の事情で融通の利く働き方がいいという方は、SES企業を探すときに確認してみるといいでしょう。

特に、「フリーランスのように働きたいけれど、収入が安定しないのは不安…」と感じている方は、フリーランスのように働くスタイルが可能な高還元SES企業がおすすめです。

還元率が気になるなら新SES企業を選ぶのがおすすめ

SES企業で働くにあたって、還元率が気になる場合は新SES企業を選ぶことをおすすめします。

新SES企業は、「単価評価制度」や「案件選択制度」を採用したSES企業を指し、近年、増加傾向にある次世代のSES企業です。

「単価評価制度」では、クライアントがSES企業に支払う単金額を基準としてSESエンジニアの報酬が決まります。単価評価制度の採用によって単価や還元率の把握が可能なほか、案件選択制度によって案件を自由に選択することも可能です。

新SES企業はSESエンジニアの待遇向上に貢献しており、これら2つの制度を採用した企業が増え始めたことで、SES業界の労働環境や待遇は大きく改善されました。

クライアントとSESエンジニアの双方から高く評価されており、今後も急速に業界に広まっていくことが予想されるため、還元率が気になる方は新SES企業を選ぶとよいでしょう。

SESエンジニアが高還元SES企業で働くために必要なスキルとは?

高還元SES企業は高いスキルや最先端の技術を持った人材を求めているケースが多いです。ここでは、高還元SES企業が求めるスキルを2つ紹介します。

上流工程も任せられる高いスキル

高還元SES企業は、給与が高水準である代わりに、エンジニアとして一定以上のスキルを求められるケースが多いです。

まずコーディングにおいては、主体的に単独で開発を進められる程度の専門的なプログラミングスキルを要求されるでしょう。また、設計業務やマネジメントスキルなど、上流工程を任せられるようなスキルも必要です。

もちろん、スキルだけでなく実務経験も重要なため、さまざまな案件で経験を積み、スキルを高める意識を持つことが大切になります。

リーダーのスキル

高還元SES企業では、リーダーとしてのスキルも持ち合わせておくとよいでしょう。

大きなチームのリーダー経験があると有利に働きますが、必ずしもチームの規模の大きさは必須ではなく、少人数のチームでの仕事の振り分けや新人教育などでも大丈夫です。プログラマーとしてだけでなく、チームマネジメントの役割ができることで、単価が上がりやすくなります。

一定以上の経験を積んだエンジニアは、リーダースキルやマネジメントスキルを求められる場面も多くなるため、今後のキャリアアップを見据えた際にも重要です。リーダーとしてチームを率いていくスキルを磨くことで、年齢を重ねてからも活躍できるポジションを獲得しやすくなるでしょう。

SES企業を選ぶときは還元率以外にも目を向けよう

高還元率のSES企業を目指すことで、SESエンジニアとSES企業双方にメリットがあります。ただし、還元率は企業によって計算方法が違うため、SESエンジニアの方は高還元率だからといって安易に給与が高いと判断しないようにしましょう。

また、SES企業側も高還元率などエンジニアへの待遇改善を目指す場合は、SESエンジニアの勤怠や案件管理が効率的に行えるツールの導入をおすすめします。

例えば、「Fairgrit®」であれば、エンジニアの業務管理以外にも、勤怠管理や契約管理などSES業務を幅広くサポートしてくれます。

また、勤怠管理だけでなく、エンジニアのメンタル管理やスキルシートの管理も可能なツールです。SES企業の業務を包括的にサポートするツールを探している方は、ぜひ「Fairgrit®」を検討してみてください。

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