年休とは?知っておくべきルールや付与タイミングについて解説!

年休(年次有給休暇)は、従業員が心身をリフレッシュしながら長期的に働き続けるために欠かせない法定休暇です。
入社から6か月後に最低10日が付与されるなど、日数や取得方法は労働基準法で厳密に定められています。
本記事では、年休の基本概念と付与タイミング、正社員・パート別の日数、失効・繰り越しのルールから取得率を高める施策までをわかりやすく解説します。
INDEX
年休とは
年次有給休暇(年休)は、労働基準法39条で保障された法定休暇です。入社6か月間に8割以上出勤した労働者へ10日付与され、その後は勤続年数に応じ最大20日まで増え、時効は2年です。
年休は給与控除なく取得でき、計画的付与や時間単位付与も可能で、働き方改革でも重視されています。一方で取得率の低さが課題となり、政府は好事例を紹介して取得促進を図っています。
年休の付与タイミングとは
年休の付与タイミングは、従業員が有給休暇を取得できる重要なポイントです。一般的には、入社から6か月後に最低10日が付与されることが法律で定められています。
初回付与は入社日から6ヶ月後に付与される
年次有給休暇(年休)は、従業員が心身の健康を保ちながら働くために重要な制度です。初回付与は入社日から6か月後で、出勤率8割を満たせば10日付与されます。
欠勤が多いと0日の可能性もあるため注意が必要です。付与日を本人と上司が共有し、繁忙期と重ならない取得計画を立てると疲労防止と定着率向上に寄与します。
また、会社は業務繁閑を踏まえた取得ガイドを示し、半日・時間単位休暇を導入すると利用しやすさが向上します。年休の取得は、労働者の権利であり、適切に利用することで、仕事の効率やモチベーションの向上にもつながります。
前倒しで付与される場合もある
初回付与は入社日から6か月後で、出勤率8割を満たせば10日付与されます。欠勤が多いと0日の可能性もあるため注意が必要です。付与日を本人と上司が共有し、繁忙期と重ならない取得計画を立てると疲労防止と定着率向上に寄与します。
また、会社は業務繁閑を踏まえた取得ガイドを示し、半日・時間単位休暇を導入すると利用しやすさが向上します。さらに、特定のプロジェクトや繁忙期において、業務の負担を軽減するために、年休を前倒しで取得できるよう配慮する企業もあります。このような柔軟な対応は、従業員の働きやすさを向上させる一助となるでしょう。
独自の基準日を設定している企業もある
企業によっては、年休の付与タイミングに独自の基準日を設定している場合があります。例えば、入社日からの6ヶ月ではなく、年度の始まりや特定の月を基準にして年休を付与することがあります。
このような制度は、企業の業務形態や人事方針に基づいて決定されるため、従業員は自社の規定をしっかりと確認することが重要です。
また、独自の基準日を設けることで、業務の繁忙期を避けて年休を取得しやすくするなど、従業員の働きやすさを考慮した取り組みも見られます。こうした制度は、企業の文化や方針を反映したものであり、従業員にとってもメリットとなることが多いです。
【立場別】年休の取得日数とは
年休の取得日数は、従業員の立場によって異なります。これから説明する内容を正しく理解し、立場によって変わるルールを押さえておきましょう。
正社員の場合
正社員は入社6か月後に10日付与され、その後11、12、14、16、18日と増え6年半で20日に達します。2019年改正で基準日から1年以内に5日取得が義務化され、未達企業には罰則が科されます。
休暇管理簿と計画年休、時間単位付与を組み合わせて繁忙期の取得率を高めましょう。在宅勤務やフレックスが普及した今こそ、管理職が率先して休暇を取得し部下へ取得を促す文化づくりが求められます。
平均残業時間と年休取得率を部署KPIとし、目標未達の場合は改善計画を提出させると実効性が高まります。
アルバイト・パートの場合
パート・アルバイトにも年休が比例付与されます。週4日勤務は初年度7日、週2日勤務は3日付与など段階増となり、週30時間以上勤務者は正社員と同基準です。
シフト作成時に休暇希望を先に確保する方式を採り、欠員は派遣や日雇いで補う体制を整えると取得しやすくなります。
非正規は休暇を遠慮しがちなため、スマホアプリ申請や時間単位年休を導入し短時間ニーズに対応すると心理的ハードルが下がります。制度周知とロールモデル紹介で取得率底上げを図りましょう。
育休中の正社員の場合
育児休業中でも基準日が到来すれば年休は付与され、復帰後にまとめて取得可能です。ただし休業期間は出勤率に含まれず、要件を下回ると付与が減る場合があります。
復帰面談で消化計画を立て、子の看病や保育園行事に時間単位休暇を活用すると両立しやすくなります。
時効2年が進行するため保存休暇や計画年休で失効を防ぎ、残日数を照会できる環境を整えると取得漏れを防げます。復帰直後の繁忙タスクを分散し、短時間勤務と休暇を両立できる職務設計も重要です。
年休の知っておくべきルールとは
年休の取得日数は、従業員の立場によって異なります。これから説明する内容を正しく理解し、立場によって変わるルールを押さえておきましょう。
年休には有効期限がある
年休には、有効期限が設定されています。具体的には、年休は付与された日から起算して、2年間の有効期限があります。このため、従業員は付与された年休を適切なタイミングで取得しなければ、期限が切れて失効してしまう可能性があります。
特に、忙しい業務に追われていると、年休を取得することが後回しになりがちですが、計画的に休暇を取ることが重要です。
また、年休の取得を促進するためには、企業側も従業員に対して有効期限を周知し、取得を奨励する取り組みが求められます。年休を有効に活用することで、心身のリフレッシュを図り、仕事の効率を高めることができるのです。
有給の最大保有日数は40日である
年休には、最大保有日数が法律で定められています。それは、従業員が保有できる年休の日数を40日を上限とするというものです。
このルールは、従業員が長期間にわたって休暇を取得しないことによる健康への影響や、労働環境の悪化を防ぐために設けられています。具体的には、年休は取得しないまま一定期間が経過すると、失効することがあります。
したがって、従業員は自分の年休の残日数を把握し、計画的に取得することが重要です。また、企業側もこのルールを理解し、従業員が年休を適切に取得できるような環境を整えることが求められます。
翌年に繰り越せる年休の日数には限りがある
年休は、取得しなかった場合に翌年に繰り越すことが可能ですが、その日数には制限があります。具体的には、未使用の年休は翌年度に最大で1年間繰り越すことができるものの、繰り越した年休はその年度内に使用しなければ失効してしまいます。
このため、従業員は計画的に年休を取得することが重要です。また、労働基準法では、年休の有効期限が設けられているため、企業側も従業員が年休を取得しやすい環境を整える必要があります。
年休の適切な管理と取得促進は、従業員の健康維持やモチベーション向上にも寄与するため、企業にとっても重要な課題と言えるでしょう。
年休申請を断ることは原則できない
年休は、労働基準法に基づいて従業員に与えられる権利であり、原則として年休の申請を企業が拒否することはできません。これは、従業員が心身の健康を維持し、仕事のパフォーマンスを向上させるために必要な休暇であるためです。
企業は、年休の取得を促進する義務があり、従業員が適切に休暇を取得できる環境を整えることが求められています。
ただし、業務の繁忙期や特定の事情がある場合には、年休の取得時期を調整することが認められることもあります。しかし、これも従業員との話し合いを通じて行うべきであり、一方的な拒否は法律に反する行為となります。
企業が年休の取得率向上に取り組むメリット
年休の取得率を向上させることは、企業にとって多くのメリットをもたらします。これから説明するメリットを理解し、自社の年休取得率向上の取り組みを積極的に行っていきましょう。
社員の離職率が下がる
年休の取得率が向上することで、社員の離職率が低下するというメリットがあります。従業員が適切に休暇を取得できる環境が整うと、心身の疲労が軽減され、仕事に対するモチベーションが高まります。結果として、職場への満足度が向上し、長期的に働き続けたいという意欲が生まれます。
また、年休を取得することで、従業員はリフレッシュし、新たな視点やアイデアを持ち帰ることができます。
これにより、チーム全体の士気が向上し、職場の雰囲気も良くなります。企業が年休の取得を促進することで、離職率を下げるだけでなく、優秀な人材を確保するための重要な要素となるのです。
従業員の生産性が向上する
年休を適切に取得することで、従業員の生産性が向上することが多くの研究で示されています。心身のリフレッシュが図られることで、仕事に対する集中力や創造性が高まり、結果として業務の効率が改善されるのです。特に、長時間働くことが常態化している職場では、適度な休息を設けることは必要でしょう。
また、年休を取得することで、ストレスの軽減やメンタルヘルスの向上にも寄与します。従業員が健康であることは、企業にとっても重要な資産であり、健康な従業員はより高いパフォーマンスを発揮します。
会社のイメージが向上する
年休の取得率を向上させることは、企業にとって多くのメリットをもたらします。その一つが、会社のイメージ向上です。
従業員が有給休暇をしっかりと取得できる環境が整っている企業は、働きやすい職場として評価される傾向があります。これにより、求職者からの注目度が高まり、優秀な人材を引き寄せることが可能になります。
また、年休を取得することで従業員の心身の健康が保たれ、職場の雰囲気も良好になります。従業員がリフレッシュし、モチベーションを高めることで、企業全体の生産性も向上し、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
年休の取得率を上げる施策とは
年休の取得率を向上させるためには、企業側が積極的に施策を講じることが重要です。これから解説する取り組みにより、従業員が安心して年休を取得できるようになります。
計画的付与制度を活用する
年休の取得率を向上させるための一つの有効な手段が、計画的付与制度の活用です。この制度は、企業が従業員に対して年休を計画的に付与することで、従業員が休暇を取りやすくすることを目的としています。
具体的には、年間の休暇計画を立て、あらかじめ休暇日を設定することで、従業員がその日を意識しやすくなります。
計画的付与制度を導入することで、従業員は自分の業務スケジュールに合わせて休暇を取得しやすくなり、結果として年休の消化率が向上します。また、企業側も業務の見通しを立てやすくなり、業務の効率化にも寄与します。
有給を取りやすい環境を作る
年休を取得しやすい環境を整えることは、企業にとって重要な施策の一つです。まず、上司や同僚が年休を取得することを積極的に推奨する文化を醸成することが必要です。
例えば、社内での年休取得の実績を共有し、取得を奨励することで、従業員が気軽に有給を申請できる雰囲気を作ります。
また、年休の取得を促進するために、事前に計画的な休暇を設定する制度を導入することも効果的です。これにより、従業員は自分の仕事の進捗を考慮しながら、計画的に休暇を取得できるようになります。
さらに、年休の取得状況を定期的に確認し、必要に応じてフォローアップを行うことで、従業員が有給を取りやすい環境を維持することができます。
会社側から有給を取るように周知する
年休の取得率を向上させるためには、企業側から積極的に有給休暇の取得を促すことが重要です。具体的には、社内での定期的な周知活動や、年休の重要性を伝えるセミナーを開催することが効果的です。
従業員が年休を取得しやすい環境を整えるためには、上司や人事部門が率先して有給休暇の取得を奨励し、実際に自らも取得する姿勢を示すことが求められます。
また、年休の残日数を定期的に通知することで、従業員が自分の権利を意識しやすくなり、計画的に休暇を取得する意欲が高まります。このような取り組みを通じて、年休の取得が当たり前の文化を醸成することが、企業全体の健康的な働き方につながるでしょう。
まとめ
年休(年次有給休暇)は、従業員が健康的に働き続けるために重要な制度です。法定で定められた付与タイミングや取得日数、ルールを理解することで、より効果的に活用できます。
企業側も年休の取得率向上に取り組むことで、社員の離職率を下げたり、生産性を向上させたりするメリットがあります。今後は、年休を積極的に取得し、心身のリフレッシュを図ることが求められます。

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