『量』の次は『質』
前回、『仕事ができる人の『報告』』と題して、『上司に聞かれる前に報告する』という主旨のお話をしました。
前回は『量』にフォーカスを当てたお話でしたが、今回は『質』に目を向けてみましょう。
3つのテクニック
上司にもよりますが、基本的には『量が質を生む』姿勢で臨むのが吉です。とはいえ、何も考えずに『報告』していては『質』を高めることは困難でしょう。
そこで重要になってくるのが、『報告の仕方』。ほんの少し意識するだけで、劇的な効果が見込めます。
『報告』に関してはさまざまなテクニックがありますが、私が普段使っている『3つのテクニック』というものがあります。
それは次のようなものです。
- コンパクトに切り出す
- 自分の意見を添える
- 先に結論を述べる
この『3つのテクニック』について、順番に解説していきましょう。
コンパクトに切り出す
まずは、要件と所要時間を述べてから『報告』を始めましょう。例えば、次のようなイメージです。
[Best!]
部長!○○の件についてのお話なのですが、○分だけお時間いただけますか?
このセリフは便利ですので、一度使ってみてください。
自分の意見を添える
単純な『報告』では、単なる事実の提示に留まってしまうこともしばしばです。例えばこんな感じですね。
[Better]
部長!○○の件ですが、△△という状況になっています。どうしましょうか?
『最低限の報告』という意味では用をなしているかもしれませんが、
- どうすればよいか
- どんな対応策があるのか
- どの対応策がベストか
といったものを、上司自身が考える必要があります。
この『報告』に『念押し型』というプラスアルファのエッセンスを加えることで、さらに良い『報告』になります。
つまりは、報告者自身が『どんな対応策があるのか』、『その中でなにがベストなのか』、『なぜそれがベストなのか』という点をまとめて報告するということです。
[Best!]
部長!○○の件ですが、△△という状況になっています。この対応策として、A、B、Cの3つの案があります。その中からB案で行く予定です。
理由は◇◇です。この方向で進めますがよろしいでしょうか。
報告を受ける側の立場からしたら、どちらが良いと感じるか。一目瞭然ですね。
先に結論を述べる
慣れない方は、ついつい『前提』を説明しがちになります。
[Better]
それは、△△が◎◎なので、◇◇です。
上司が知りたいことは、『△△が◎◎なので』の部分ではありません。『結論』の部分です。ですから、先にその結論の部分を述べましょう。
[Best!]
それは、◇◇です。
もし、結論だけで足りなければ、上司は必ず再度質問をしてくれます。その質問に対して答えていけば良いのです。
その時も『結論で答える』ということをお忘れなく。
たかが『報告』、されど『報告』
実体験を振り返ってみても、部下のレベルに応じて『報告』の『質』は大きく異なります。
たとえば、まだ未熟な部下の場合。結論にたどり着くまでに長々と話を聞かなければなりません。
優秀な部下の場合。まず結論を話してくれます。それに加えて、悪い事ほど先に報告してきます。
さらにもっと優秀な部下の場合。まず結論と事実だけを報告してくれます。もしも私が求めたならば、そのとき初めて自分の考えを述べてくれます。それだけではなく、対応策も合わせて持っているのが常です。
今回ご紹介した『3つのテクニック』は、誰でもすぐに活用できるものです。
普段なにも考えずにしてしまいがちな『報告』ですが、ちょっと意識するだけで大きく変わってきます。『報告』の『質』をアップして、あなたの仕事の『質』も高めてみてください。