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将来有望と目される人に必要な要素、その1
前回の投稿では、『将来有望と目される人財の特徴』と題した記事を書きました。
この記事で 『将来有望と目される人財とは、やる気、夢、目標を持った人材である』という主旨のお話をさせていただきました。そして、『活躍するにあたっては、それだけでは不十分でもっと重要な要素がある』というお話もさせていただきました。
今回は、その『活躍するために必要な、重要な要素』についてお話しさせていただこうと思います。
それは『決断力』
『Seize the fortune by the forelock.』という格言をご存じでしょうか?意訳すると『幸運をつかみ取りたければ、逃さぬように目を光らせていなさい』といった感じになるかと思います。1)インターネットで検索していただければ
いろいろと見つかるかと思います
大きなチャンスが目の前に訪れたとしても、それをつかみ取ることができなければ得ることはできない。この『つかみ取る』ための能力こそ、『活躍できる人財になるために必要な要素』のひとつなのです。
能力の有無で活躍できる人財か否かを見極めることができるこの要素。それはいったいなんでしょうか?
その能力とは、ズバリ『決断力』です。
チャンスを逃さぬために
チャンスは常に自分にとって理想的な形でやってくるとは限りません。もしかしたら、『自分の気が進まないこと』を伴ってやってくるかもしれません。もしかしたら、『過去に経験したことのない、初めてのこと』かもしれません。
仮にそうだとしても、そのチャンスを手に入れたいのであればすぐに行動に移せなければなりません。行動に移すための『決断力』が必要になるのです。
業務用ネットワーク機器のデファクトスタンダードとして有名なシスコシステムズ社。その最高技術責任者(CTO)を務めていたパドマスリー・ウォリアー氏は、『過去に犯した失敗から学んだ1番重要な教訓はなんですか?』と質問されて次のように答えています。
社会人になりたての頃、たくさんのチャンスを与えられたのに、その多くにノーと答えていた。
当時の私は、それは自分の専門じゃないとか、その他分野はよく知らないと思っていたから。でも、今考えれば、どんな事でも学んで自分にできる貢献をすることが大事だったとわかる。
だから今の若い人たちに言いたいのは、次に大きく羽ばたこうと思うなら自分に完全にフィットする仕事なんてない。
なかなか示唆に富むコメントではないでしょうか。
ある日の光景
私が雇われ社長をしていたとき、まさにこのパドマスリー・ウォリアー氏と同じような失敗を犯してしまったエピソードがありました。やる気に満ちあふれた若手エンジニアに、社内の重要ポジションを打診したときの話です。
打診を受けたその若手エンジニアは、すぐに決断ができませんでした。1ヶ月ほど回答を保留していたのです。今までやったことのない業務、責任も伴います。すぐに決断できなかった気持ちはよく分かるつもりです。
しかし、会社としてはいつまでも空席のままにしておけるポジションではありませんでした。打診を受けてもらえるかどうかもはっきりとしていなかった以上、他に適切な人員がいないかを探すのは当然のことでした。
しばらくは『適任者不在』の状態でだったある日、他の候補者が出てきました。
その候補者は、若手エンジニアよりも社歴もエンジニア経験も浅い方でした。しかし、会社から打診されたときにふたつ返事で『やります』との回答を出せる決断力を持った人財でした。
結果、若手エンジニアはその候補者にポジションを奪われる結果に。
若手エンジニアは、やる気はあったそうなのですが……。『決断力』が足りなかったがために、その気持ちを形にすることができませんでした。
まず一歩を踏み出すことから
そもそもの話、動き出す前に正解を探しても見つかるわけがないのです。
活躍できる人は、確かな答えなどわからない状態でも動き出します。活躍できない人は、正解を探して足踏みしているうちにタイミングを逃しています。
人生でいちばん大事な事は、結局、知識ではなく行動です。たとえ、自分の気が進まないことや初めてのことであっても、すぐに行動に移していれば味方になってくれる人が周囲に現れます。
健全な関係を築いていれば、周りの人たちはあなたに成功して欲しいと思っています。わざわざどん底まで陥れようと思っている人はまずいません。
リスクを取って頑張っている人がいれば、その姿を見ただれかが必ず味方となって現れてくれます。
チャンスが巡ってきたときのために
さらに私からアドバイスをさせて頂きます。
チャンスが巡ってきて判断に迷ったとき、このように考えてみてください。
思わぬチャンスが巡ってきたとき、選択肢は『やる』か『やらないか』のどちらかしかありません。
『やった場合』と『やらなかった場合』を想像して、10年後にどう思っているかを想像してみてください。もし『やる』とした場合、例え望む結果が得られなかったとしても10年後には『良い経験ができてよかった』と思える。
もし『やらかった』とした場合、間違いなく『あのときやっておけばよかった』と後悔している。
もし、そのように思えれば『やる』しかありません。そう考えると決断するのも楽になります。
やってみるからこそ得られること
人間の選択ミスの大半は、『人生がいつまでも続く』という幻想が生む、緊迫感の欠如に起因します。
『どうしてもやらなければいけないこと』は、多くの方がやるでしょう。反面、『やらなくても済んでしまうこと』をやる人は少ないのです。だからこそ、『やらなくても済んでしまうこと』をどれだけ実際にやってみるかで人生が変わっていくのです。
やってみないとわからないこと、得られないことはいっぱいあります。
チャンスを掴み取るためには、自分の気が進まないことや初めてのことであっても、チャレンジする決断力が必要なのです。
『活躍できる人財』という意味では、他にもあとふたつ要素が存在します。それらについては、今後順番にお話しさせていただこうと思います。
注訳
1. | ↑ | インターネットで検索していただければ いろいろと見つかるかと思います |