「伸びるタイプ」という迷信
「お前は褒めると調子に乗るから、叱ると伸びるタイプの人間だ!厳しく行くぞ!」
当時新人だった私は、何をやっても上司に怒鳴られ、そして否定され続けていました。
そもそも「褒めるだけで伸びるタイプ」だとか「叱るだけで伸びるタイプ」などというものは存在しません。
どのような人であれ、適切なタイミングで褒め、改善点を指摘する必要があるのです。
言うは易く行うは難し。
いざ教える立場に立ってみると、往々にして褒めることよりも改善点が多くなってしまうものです。普段はあまり意識しませんが、人の良いところよりも悪いところの方が簡単に目が付くものだからです。
短所より長所を
エージェントグローの教育方針は、「短所よりも長所に目を向ける」というものです。
例えば、従業員が努力していたり、成果を挙げたとしましょう。それがどんなに小さいことであったとしても、私は褒めるように勤めています。
この、
- どんな小さなことでも褒める
- その場で褒める
というのがキーポイントです。
「褒める」方法にもちょっとしたコツがあります。それは「他人の評価として伝える」というものです。
自分が直接誉めるのも悪くありませんが、「他人の評価」として伝えるとより高い効果を得ることができます。具体的に言えば、「〇〇さんが褒めていたよ」といったイメージですね。
「他人の口」を借りて誉め続けると、相手に「周囲から認められている」という安心感が生まれます。この安心感が、大きな効果を生むのです。
このような接し方をすれば、その相手は少しづつ自信を持ち、結果を出していくことができるようになります。例え「自分は大したことがない」という気持ちが強く、自信の無い人間であったとしても。
大切なのは、自分に対して肯定的に考えられることになること。それが、意識改革の第一歩になります。
私自身、従業員との個人面談をおこなうときなどに、このメソッドを取り入れています。
素直であれ
視点を変えてみましょう。
教わる側になったときは、「改善点に対して素直に耳を傾ける」ことに注意する必要があります。
「褒め言葉は素直に受け取ってくれるのに、改善点を伝えても聞き入れてもらえない」というのはよくある話です。特に、自我や自己確信の強い人材に顕著です。「否定への恐怖感」が他者に比べて高いためです。
このような人は、指摘されることや怒られることが嫌いです。否定されることを恐れています。それに対する反動で反発します。
以前、自我や自己確信の強い部下を持ったことがあります。とても苦労したことを覚えています。
幸いなことにエージェントグローには、素直な従業員が多いので、このような苦労をしないで済んでいますが……。
さらに一歩進むために
アドバイスに従う素直さがある。それは、自分に足りないところを補うための重要な資質です。
素直でないと、人の知恵を活かせません。人が離れていきます。話をしてくれなくなります。
能力や才能が無くても、素直さがあれば何とかなります
当社の営業統括マネージャーの名言です。
教える側は、褒めることに注力しつつ言いにくい改善点をしっかりと伝える。教わる側は、褒められたことや改善点に対して素直に耳を傾ける。
これらを心がけることが大切なのです。